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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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それぞれの想い 10

翌週。

目立たない所が良いと、セッティングされた料亭の個室。

俺とつくしが案内された部屋に入れば、前妻と弁護士の姿。

あんまり顔をはっきりと見た事ないけど、やつれて肌が荒れているのは誰が見てもわかる痛々しい姿。

つくしも少し眉間に皺が寄っている。

大きな座卓に向い合せで座る。

相手に見えないからと、つくしの手を握った。

「来てくれてありがとうございます。本当にあの時はどうかしていたの。ごめんなさい」

頭を下げる。

『頭を上げてください』

つくしはどんな反応をするんだろうか。

『あなたが息子の蓮にした事は、一生許せないと思います。あたしなら何をされても構いませんが、息子だけは違います。』

凛とした姿で、正々堂々と向き合っている。

『彼が庇ってくれたおかげであたしや息子は無傷で済みました。ですが、彼には大きな傷が残っています。正直に言うと、あたしは本当に彼と結婚しようなんて思ってもいませんでした。』

その言葉にイラッとする。

『あたしが子供を生んでいる事を知っても、結婚しようって言われても跳ね返すつもりだったんです。でも、命がけであたしと息子を守ってくれた彼が生死の境を彷徨っていた時、彼の死を想像しただけであたしは震えました。二度と失いたくない存在だと気付いたんです。』

俺の手を握る力が強くなった。

『たぶん彼は、あなたに対する態度が酷かったと思います。あたしも最初はそうだったから。この際ぶちまけてはいかがですか?』

「え?」

さすがに相手の弁護士まで驚いている。

『今後言う機会もないかもしれないし、言っといた方が楽になりますよ?彼に対してどう思っていたのか。・・・蓮を誘拐しようと思うくらい、子供欲しかったんじゃないですか?』

「・・・司さんとの縁談自体が、私が希望したものだったんです。」

俯きながら話し始めた。

「以前からパーティでお見かけして、素敵な方だとは思っていました。道明寺グループが傾き始めているのを知って、父にお願いしたんです。お見合いしたいと。うちがどれほど大きいか、わかっていましたから。すぐに結婚まで話が進んで、私は嬉しかった。でもそれも、最初だけでした。司さんが私に興味がない事はわかっていました。それでも、一緒に暮していれば、望みがあるんじゃないかってバカみたいに思っていたんです。
一番離れた部屋で、触れてももらえない事に寂しさを感じた。私との子供はいらないと言われて、悲しかった。結婚して5年も経つのになぜ子供がいないんだと、いろんなところからプレッシャーもあって、精神的に参っていたの。
そこで初めて、司さんの身辺を調べた。あなたの事が載っていて、子供がいるとわかって気が狂いそうになった。そこでやめておけばよかったのに、抑える事が出来なかった。
・・・私はずっと、司さんに愛されたかった。子供がいれば、司さんを繋ぎ止めておけると思っていたの。浅はかな考えで、こんな事になってしまって本当にごめんなさい。」

『麗さん、優しいんですね』

その言葉に、俯いていた顔を上げた。

『本当なら、彼を罵倒するくらい声を張り上げてもいいくらいですよ?あたしなら怒鳴ってる所です。』

つくしは笑いかけている。

『あたしが言うのも変ですけど、麗さん美人だし、お金持ちだし、こんなに優しんだし、すぐに素敵な人が現れますよ。今回は、ちょっと変なのを好きになってしまったと思ってもらえればいいんじゃないですかね?』

「おい、変なのってどういう事だ?」

『あんたは見た目良くても中身がねぇ。』

「夫に向かってなんだそれは」

『だって本当の事でしょ。我儘だし自己中だし、挙げたらキリがないんだけど』

「お前なぁ、自分だって褒められた性格か?」

『そんなあたしが好きなくせに。』

「うるせー、お前もだろ?」

『あ、』

つくしが気がついた。

『ごめんなさい、いつもの調子で話しちゃって』

「いえ、司さんってこういう話し方なんですね。」

こいつはそれさえも知らないのか。

「蓮くんにも、謝っていたとお話ししていただけますか?」

『はい。今すぐにというわけにはいきませんが、いずれ、きちんと話します。』

「お願いします。・・・本当に、あの時まで会っていなかったんですよね?」

『あたしとですか?はい。んーと、6年以上は。』

「仲が良くて羨ましいです。腕が不自然ですよ?」

とっさに俺の手を離したつくし。

それでも俺の手はつくしの肘かけに添えたまま。

「もしよろしければ、食事して行ってください。ご馳走します。」

『いえ、自宅に息子を残していますので帰ります。麗さん、幸せになってくださいね』

「はい。お2人も。」

つくしと2人きりになった部屋。

『あんた全然しゃべってないじゃん。』

「つくしが話した方がスムーズだろ」

『それは否めないけど』

「俺はきっとあいつを傷つける事しか言えない気がしたから、口を挟まなかった。やっぱり、お前と蓮を傷つけようとした事は許せねぇし。」

『だけど、反省してるじゃない。あんなに優しい人、あんたにはもったいなかったね。もっといい人がいるだろうに。』

「お前なぁ、」

『きっと、蓮を傷つける気なんてなかったはずだよ?しようと思えばする機会なんて他にもあったんだし。それをしなかったんだもん。美人で性格もいいなんて、羨ましい。』

「・・・ホントすげぇよ、お前は。」

『ん?』

「本来なら、あいつに文句を言うべき立場だろ?なのに俺に対してどう思ってたか言えって、普通なら言わないぞ。・・・つくしの中では、もう終わったことか?」

『そうだね。もう終わった。あんたが生きてるんだもん。それだけで十分。無理矢理な結婚は幸せにはなれないね。今度は大丈夫かな?』

「俺はお前を愛している。お前も俺を愛している。幸せな結婚だな。」

『随分自信満々だね?』

「あ?違うっていうのか」

『いいえ、そうは言ってませんけど?』

俺を挑発するような瞳で見るつくし。

抱き寄せ、唇を掠めるキスをした。

「何だ?物足りないか?」

『・・・うん。でも、家まで我慢する』

勝手に笑みがこぼれる。

可愛い反応するつくしを、帰ってからどうしてやろうかと頭の中で想像した。

悪いが蓮は今日は1人で寝てもらおうか。

類を呼んで寝たっていい。

ベッドの上で顔を真っ赤にして、少し汗ばんだ肌で俺に抱きつくのが脳内に浮かぶ。

俺に与えられる快感に身を委ねて、喉を反らせて吐息をもらす。

おぉ、ヤベッ。

「帰るぞ」

キスだけで終わると思うなよ?

司の頭の中は愛ゆえに、つくしでいっぱいだった。




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Re: タイトルなし

ジ…様

コメントありがとうございます。

見て笑っちゃいました(笑)
トイレから出てきたつくしに『ごめん、来ちゃった…』って言われて落胆してそうですもんね。
類に八つ当たり(笑)
司らしくて、ほのぼのしてしまいます(^v^)

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