FC2ブログ

It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

11<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>01

それぞれの想い 4

英才教育が始まった蓮は、習い事が増えた。

俺たちも通った道を、蓮も同じように通る。

今まで類やあきらに教わっていた事を、家庭教師に教わる。

だけど、お茶だけは俺が教える事を譲れなかった。

『だって、総二郎だって忙しいでしょ?他の先生でもいいんだよ?』

「俺は平日は結構自由に出来るから。蓮の稽古くらい大丈夫だよ。無理なら他の先生に来てもらうし」

『そう?ならいいんだけど。蓮も総二郎の方が喜ぶよ。』

つくしや蓮に会う機会を、失くしたくはなかった。

週に一度の稽古の日。

今日はつくしも一緒に来た。

『司出張でいないしヒマなんだよね。』

南米に1週間、出張に行っている司。

帰国の予定は明日。

「じゃあ食事でも行こうか?夜は予定ないし」

『うん!』

久しぶりに3人での食事の約束をして、蓮の稽古が始まった。



予定通り1時間ほどの稽古も終わり、俺は着替えようと茶室の襖に手を掛けた。

携帯の着信音が鳴り、つくしが鞄をあさる。

表示されてる名前を見て、少し口角が上がったようにも見えた。

『もしもし・・・うん、え?もう?・・・えー、総二郎と約束したのに~・・・わかったって。うん、待ってるね。』

電話を切り、ため息をついたように見えたけど、その顔は笑っていた。

「司?」

『うん。予定切りあげてさっき帰国したんだって。ごめんね、総二郎。せっかく約束したのに行けなくなっちゃった。』

「お父さん帰ってきたの?」

『お仕事早く終わったんだって。今ここに向かってるよ。一緒にご飯食べに行こうって』

「やったー!お父さんと一緒!」

『あ、総二郎も一緒にどう?』

「遠慮しとく。家族のだんらん邪魔するほど野暮じゃないんでね」

つくしや蓮の嬉しそうな顔を見てしまうと、俺も行くとは言いづらい。

こんな時、類なら行くんだろうけど。

俺との食事よりも、司との方が嬉しいんだろう?

つくしが類と男女の関係になっていない事も知っている。

俺たちが傍にいても、司だけを想い続けていたつくし。

敵わない想いに、自嘲的な笑いがこみ上げる。


廊下を歩く音。

茶室の襖が開けられ、少し頭を掲げた司が入ってきた。

「お父さん!」

司に飛びつく蓮。

「久しぶりだな、蓮。良い子にしてたか?」

「うん!おかえりなさい、お父さん」

「ただいま、蓮」

抱きしめられ、頭を撫でられ、満面の笑みを司に向ける。

『おかえり、司』

「おぉ、ただいま。」

つくしもその側に行き、文句を言っている。

『早く帰ってくるなら連絡くらいしてよね』

「サプライズだよ、嬉しいだろ?」

『せっかく総二郎とご飯行こうと思ってたのに』

「俺より総二郎がいいって言うのか?」

『別にそこまで言ってないでしょ?』

「俺が帰ってきて嬉しくないのか?」

『・・・そりゃあ嬉しいよ』

「最初っからそう言えっつうんだよ」

空いている腕でつくしを抱きしめる。

顔を近づけていく司。

『ちょっと!ここ総二郎の家!』

「いいじゃねぇか、いつものお帰りのキスだ」

『あ、後でするから!』

「チッ、絶対だからな」

渋々つくしから顔を離した。

「相変わらずラブラブで」

「当たり前だろ?新婚だっつうの」

こんなに幸せそうな顔をする親友を前にして、つくしとどうこうなんて考える方がバカみたいだ。

司の真っ直ぐな愛は、いつまで経ってもつくし以外に向けられる事はなく。

またつくしも司以外を見る事はない。

類でさえも入りこむ事が出来なかった2人の間。

ましてや俺が、その先を見られるわけがないんだ。



3人が帰って静かになった茶室。

襖を開け放ち、縁側に座った。

「総ちゃん、司くん達はお帰り?」

「さっきな」

母親が、通りがかりに俺に話しかける。

「司くんも立派になったわね。わざわざ私の所まで挨拶に来るなんて、昔なら考えられなかったわ。」

「司が?」

「これからも、妻と息子をよろしくお願いしますって。いずれ増えるだろう家族も、できれば総ちゃんにお茶を習いたいって言ってたわ。」

「へぇ~司がねぇ」

「本当に愛した人と結婚するって素敵ね。総ちゃんにも、そんな人が現れるといいんだけど」

俺の肩にポンと手を置き、奥の部屋へと歩いて行った。

「本当に愛した人かぁ…」

果たして俺にそんな人が現れるのだろうか。

今は首をかしげる事しかできないけど。

司にとってつくしのように、俺もそんな人に出会いたいと思った。

そんな事を思った、秋の夕暮れ。





ランキングに参加してます。
ポチっとお願いします。


0574 Web Site Ranking
スポンサーサイト



COMMENT▼

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://stormstory849.blog.fc2.com/tb.php/93-55b26506

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

MAMI

Author:MAMI
原作、ドラマどっちもファンです!
設定が混ざってしまうかもしれません。
お許しください…

不定期にて週2回の更新が今の精一杯です…

たくさんのアクセス、拍手、コメントにいつも感謝してます!

バナーを作ってみました。
さらに、素敵なバナーも頂きましたので好きなのをお持ち帰りください。
当サイトはリンクフリーです。←今さら
好き勝手にペタペタしてくださいませ。


ログイン数

参加中

リンク

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR