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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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この想いを 1

少しづつ持ち直してきた高野。

今までと同じようにはいかないけれど、司のとこから回ってくる仕事に真剣に取り組む日々。

狂った歯車を直すのは容易ではなかった。

道明寺と大河原からの援助にどれだけ助けられたか分からない。

滋に頭が上がらない俺は、少しづつ結婚生活にも息苦しさを感じていた。



つくしとの離婚時に弁護士にサインを書かされた。

“自発的な接触は禁ずる”

つまり、会うのも電話でさえもダメだと。

結婚して1年くらいは仕事に忙しくて、滋から聞くつくしの近況も軽く流せた。

ちゃんとした生活をして、目標を持って頑張っているつくしを心の中で応援していた。

司との結婚式。

見つめ合い幸せそうな顔をしていたつくし。

あの事件までは、あそこは俺の席だった。

つくしを見つめるのも、見つめられるのも俺だったのに。

滋に愛情がないわけではない。

今も俺の隣でグスグス泣いている。

「おい、勘違いされるから泣くなって」

「だってぇ~嬉しいんだもん、2人が幸せそうで」

元婚約者の結婚式で号泣するなよ。

俺まで複雑な気持ちになる。

滋と結婚した時に忘れたはずの気持ちに、再び火がつきそうなのを必死で消していた。



つくしの妊娠を滋から聞いた時、おめでとうという気持ちとなんで・・・という気持ちと。

心から素直に祝える気持ちにはならなかった。

つくしとの2年という短い結婚生活で、俺たちに子供を授かる事はなかった。

毎回避妊をしていたわけでもないし、なんとなく生理の周期だって知っていたのに。

司となら半年でできるのか。

全ては相性なんだとわかっていても、腑に落ちないこの感じ。

1人になれる執務室。

溜め息ばかりを繰り返した。

それから4か月後。

「本日午後より道明寺取締役が見えます。今後、高野を担当されるので、そのご挨拶だそうです。」

秘書から聞く今日の予定。

つくしに会える。

それだけを楽しみに、午前中の仕事を片付けた。

時間になり、秘書と共に入ってきたつくし。

大きくなったお腹をワンピースで包み、ゆっくりソファーまで歩いてきた。

『この度、日本勤務になり高野を担当する事になりました、道明寺つくしです。』

名刺の交換をして、つくしは座った。

『ま、堅苦しいのは無しにしようか。久しぶりだね、啓太。結婚式以来?』

「あぁ、そのくらいだな。お腹大きいな」

『もうすぐ6カ月に入るとこ。毎日蹴られて痛いんだよ』

お腹を撫でながら幸せそうな顔を俺に見せる。

「司の遺伝子は強烈だろうな」

『せめて産まれてから暴れてほしいもんだよ』

何気ない会話に癒される。

『そうだ、触ってみる?』

「いいのか?」

『いいよ。そのうち滋さんだってこうなるんだから、練習、練習!』

つくしの隣に座って、お腹に触れた。

風船をお腹に入れているような、不思議な感覚。

ビクッて手に触れた。

『蹴った。赤ちゃんも司と一緒でやきもち焼きみたいだね。司以外の男の人が触ると蹴るのよ』

「ライバルって認められてるんだな」

『類と啓太しか触ったことないけどね。』

いつまでも触れていたい気もしたけれど、そっと手を離した。

『こんな事言うの、本当はダメだと思うけどね』

自分でお腹を撫でながら話すつくし。

『啓太の赤ちゃん産みたかった。今となっては、こんな事になって子供がいなくて良かったなと思う事もあるけど、司に再会するまでは本当に思ってた。』

その言葉は、俺に重くのしかかる。

もし子供がいれば、離婚する事もなかったかもしれない。

今でもつくしが俺の側にいたかもしれない。

子供と3人で、少し貧乏だけど幸せな暮らしをしていたかもしれない。

『あー、今の話忘れて。元旦那に言う事じゃないよね。』

少し慌てて言うつくしに笑いがこみ上げる。

作り笑いじゃない、本当の笑い。

いつ振りだろうかと考えた。

『これからちょくちょく会う機会もあるだろうし、産まれたら会いに来てよ。もう、負い目なんか気にしないで。あたしは幸せだし、啓太も滋さんと仲良くやってるんでしょ?』

「あぁ。」

『お互い再婚したし、新しい道を歩いていけばいいんだよ。あたしは啓太を嫌いになったわけではないし、あの時のあたしを救ってくれた大切な人に変わりはない。きっと、本当の意味で親友になれるんじゃないかな』

「親友かぁ・・・」

『不満?』

「いや、俺はつくしを誰よりもよく知ってるからな。ドラマにすぐ感情移入する所も、食べ物に目がない事も、わき腹のほくろも、どうしたら俺の誘いに乗るかも」

『もう!』

真っ赤になって怒る姿、可愛い以外にどう表現したらいいんだ。

「うちも、子供作らないとな」

『滋さんなら何人でも産めそうだから頑張って。啓太なら良いパパになれるよ。司よりも』

微妙に離れている距離が、今の俺たちそのものだった。

今まではピッタリくっついていた。

もう、それも終わり。

吹っ切れたはずなのに、女々しく考えるのもやめなければ。

ソファーから立ちあがるつくしに手を貸した。

司が見ていたら激怒しそうなこの場面。

つくしが俺に気を許しているのがわかる、少しの優越感。

「むくんでる」

握った手は、どれだけ食べても太らないつくしからは想像もつかないほどにむくんで柔らかみを帯びている。

『妊娠中はね、仕方ない事なんだって。指輪きつくて困ってんの』

俺の知らないつくし。

つくしの事、誰よりも知ってるのは俺じゃなくて司だった。

今のつくしの事は、俺は全然知らない。

『報告書、忘れないでよ。数字悪かったら怒鳴りこみに来るからね』

「かしこまりました、道明寺取締役」

『頑張ってくれたまえ、高野くん』

ふざけて笑いながら帰って行った。

心から笑った数十分。

数カ月は頑張れそうだと思う。

滋だって俺の為に頑張ってくれている事、忘れちゃダメだな。

俺ばっかりが苦しい思いしてるわけじゃないんだ。

滋をもっと大切にしよう。

また苦しくなったらつくしに会えばいい。

冗談言って笑えれば、力になるから。




少し女々しい啓太くんのお話です。
滋を大切にしようと思う反面、何度もフラフラとつくしを求めてしまう自分との葛藤をお話にしました。
明日も楽しんでいただけたら嬉しいです。


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