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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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君しかいらない 1

しばらくお休みさせていただきました。
本当は来週の火曜日まで休もうと思ったのですが、減らないアクセス数に感動して短編を1つ公開します。
The person~の番外編、類と美香ちゃんのお話。
今日は類の視点でどうぞ。
牧野の執務室。

司に用があっても、必ず立ち寄る俺の癒しの場所。

大きいお腹で書類を読んで、部下を叱って、励まして、やる気を出させて送り出す。

今までの道明寺からは考えられなかった指導法。

これが結構評判で、牧野が指揮を執るプロジェクトに選ばれた奴は羨望の眼差しで見られるらしい。

今日はケーキのお土産付き。

司に会う前に、牧野の部屋に顔を出した。

『あたしもそんなに暇じゃないんだけど』

そうは言っても、俺とのお茶を楽しんでくれる牧野。

出産予定日まで2週間を切っている。

「結局産休なんてないんじゃないの?」

『産まれたらしばらく休むよ。それまでに残務処理してるの。』

紅茶を出してくれた牧野の秘書。

名前…なんだっけ?

「あんたも座れば?」

「私もですか?」

『そうだよ、一緒に食べよ?類買ってきすぎなのよ。さすがに1人で食べられる量じゃないし。』

「ですが…」

「誰かにチクったりしないから大丈夫。自分の分も紅茶持っておいで」

「はい」

『高梨美香』

牧野の秘書が部屋を出ると、牧野がそう言った。

『名前覚えてないんでしょ?覚えてあげて。あたしの秘書なんだから、顔合わせる機会も多いし。』

「高梨美香。どっかで聞いた事ある名前だね」

『お父さんが総務省のお偉いさんみたいだよ。パーティかどこかで会ったことあるかも。』

「そう。」

親の職業なんか興味はない。

『司に用あるんじゃないの?』

「牧野に会う為に30分前に来たから大丈夫。今行ったって待たされるだけだから。」

『田村さん困らせないでよ?』

俺の秘書まで心配するところはやっぱり牧野だと思う。

牧野の秘書・・・高梨が自分の紅茶を持ってきて、俺らのお茶が始まった。

牧野と2人でケーキを選んでる様子はまるで友達みたい。

『どれにしようかな』

「どれも美味しそうですね」

『美香ちゃん好きなの選んでいいよ?』

「取締役から選んでください」

『じゃあ、あたしこれ。美香ちゃんは?』

「私これにします。あ、これもいいなぁ」

『じゃあ2つ食べる?』

「取締役は食べすぎたらダメですよ。明日健診ですからね」

『はーい』

「という事で、私が食べます。」

『え、ズルイ!』

「冗談です。夕食は軽めにしましょうね。ご自宅に連絡しておきます。」

『ありがとう』

俺そっちのけで盛り上がり、ケーキを頬張って嬉しそうな顔してる。

牧野が美味しそうに食べる姿も好きだけど、高梨の姿も目に入った。

静と牧野以外に、久しぶりに興味が湧いた女。

ただ、気になった。




牧野の陣痛が始まったと連絡が来たのは、それから1週間後。

仕事を終わらせ、病院に着いた時にはもう産まれていた。

わずか3時間しか経っていない。

新生児室の左端。

道明寺つくしベビーと書かれたプレートがかかっている所に小さな赤ん坊がいた。

牧野のお腹の中で育った、司と牧野の子供。

生命の誕生は奇跡だと、眠る赤ん坊を見て思った。

渉<わたる>と名付けられた子供は、よく泣き、よく飲む。

牧野が大変だけど楽しい、とイキイキして子育てしているのを見ると、俺も自然と渉が可愛いと思うようになった。

たとえ司にそっくりでも、牧野が産んだから可愛いんだ。

牧野と渉に会いに家に行くと、必ずいる高梨。

産後一カ月くらいはあまり仕事もしてなかったみたいだけど、渉が寝てる間に少しずつ始めたらしい。

高梨が書類を持ってきたりしてる。

牧野が渉に授乳する時は、自然と2人になる。

別に何を話すわけでもないけれど、近くにいるのが嫌ではない。

高梨が仕事してる姿を、ただボーっと眺めていた。

「何か?」

類「気にしないで」

「気にするなと言われましても…」

類「ねぇ、」

「はい」

類「梨食べたい」

「梨、ですか?」

類「そう、梨。あんたの名字、高梨でしょ?顔見るたびに思ってたんだよね」

「あるか聞いてきます。」

類「あとさ、目の前で剥いてね。切ってすぐじゃないと色変わるでしょ?俺、あれ嫌なの」

「わかりました」

部屋を出て数分。

トレーに梨とナイフとお皿を持って戻ってきた。

俺の前で器用に剥いていく。

類「料理できるの?」

「はい。大学生の時に料理教室に通ってました。」

類「へぇー」

「どうぞ」

皿に並んだ梨。

小さなフォークで刺して口に運んだ。

甘くて瑞々しくて、色も変わってない所もいい。

類「食べれば?」

「はい」

部屋の中に響く、梨を食べる音。

シャリシャリシャリシャリ

美味いなぁ。

丁度食べ終わったところで牧野が戻ってきた。

「取締役にも剥きますね。」

『梨?うわー美味しそう!』

「頂きものみたいですよ。厨房に一杯ありました」

『じゃあしばらくは梨出てくるなぁ。嬉しいなぁ』

食べ物一つでこんなに喜んで。

牧野の為に剥いた梨を、さらに一切れ食べた。

俺と距離を取りたがる高梨。

イタズラ心で近づいて顔を覗き込んだ。

牧野みたいに顔を真っ赤にしてアタフタする姿。

可愛い。

素直にそう思った。



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Re: タイトルなし

ゆ…様

コメントありがとうございます。

お待たせいたしました!
類と美香ちゃんの話、書いてて楽しかったです。
全3…4話の予定で更新します。

次の短編も、The person~の番外編。
あの方の登場ですよ!

Re: 待ってました♪

ゆみ…様

コメントありがとうございます。

確かに(笑)プチ再開です。
この1週間ほどは短編ばかり書いてました。
長編が進まず…
更新しながら頑張って書きます。

来週からストックした短編、吐き出します!

楽しみにお待ちしてました

毎日、再開は今か今かと楽しみにお待ちしてました
類の恋ばな良いですよね
二人にも幸せになって欲しいです
お話楽しみにしています(^_^)☆

Re: 楽しみにお待ちしてました

momoyuzuhime様

コメントありがとうございます。

2人にも幸せになってほしいですよね。
あと数話、お付き合いください!

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Re: ありがとうございます。

よ…様

コメントありがとうございます。
急かされたなんて思ってませんよ!
けど、急かされると私は執筆が進むタイプみたいです。
まぁ、めんどくさい女なんですよ。

短編も楽しんでいただけると嬉しいです!

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