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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 48

そろそろ終わりに向かいます。
何年かかってんだって感じです。
では、続きをどうぞ↓


「さやちゃんはこっちの方が似合うよ」
「お姉さんは背が高いからこっちの方が似合いますね」
「じゃあこれとこれ、お揃いにしよっか」

あのロンドン旅行から2週間。
たった2週間で、マリはさやを懐柔した。
元々人見知りもせず、心を開いた相手とはとことん距離を詰めるマリと。
男女関係なく誰とでも仲良くなれるさや。
昔はこれが原因でいじめられたりもしたけれど。
相性がいいのか何なのか。
さやをうちに呼び、俺が仕事の話で少し抜けている間に2人は仲良くなったらしい。
俺の姉としてさやに接すると決めたのか、お姉さんと呼ばれる事に喜びを感じているようにも見える。
そして、買い物に付き合わされている俺。
ファストファッションの店だし、少しくらいは痛くも痒くもないけど。
どれだけ買うんだよと言いたくなるほどの量の服たちをSPが持っている。

「もういいんじゃねぇの?」
「そうね。少し疲れたからお茶しよう。竜、お会計お願いね。さやちゃん行くよ」
キョロキョロ俺を振り返りながら、マリに連れて行かれるさや。
仲がいいのは嬉しい事だけど、俺としてはちょっと複雑な気分だ。
「お疲れさま。悪いね。車運んどいて」
「かしこまりました」
SPに声を掛けてから、2人の跡を追った。

休憩をはさんでからもたくさん買い込み、マリは嬉しそうにしている。
帰りの車の中は袋でいっぱいだ。
「さやちゃんはあまり高級な物は着られないでしょ?お友達から浮いちゃっても困るし。お母さんにいろいろ教えてもらってよかった。また行こうね」
「おばさんと仲良いんだね」
「うん。私、本当の母親に愛されてなかったの。あの人にとって、パパを繋ぎ止めるだけの道具でしかなかった。でも今は違う。お母さんは私に正面から向き合ってくれて、一緒に悩んで、背中を押してくれる。母親ってこういうものなんだって知ったの」
「正義感も強いしね」
「そうなの!パパにあんなに怒れる人お母さんしかいないよ。初めて見た時ビックリしちゃって。パパが誰かのご機嫌取りするなんて信じられないもの。パパの嫌われたくないって想いがすごくて」
「おばさんすごい・・・」
「パパがあんなに素敵な人と結婚してくれてよかった。じゃなきゃ私は母親からの愛情なんて知らないままだったから」
母さんの事を話すマリの表情は柔らかくて、母さんの人徳も侮れないなって思った。
悪いことすれば俺の友達にも怒ってた。
サッカーも野球も一緒になってやってくれて、友達の中には母さんと遊びたくてうちに来るような奴もいた。
マリがこんな風に母さんの話しをしてくれると、すごく誇らしい気持ちになる。
母さんの子供で良かったって。
素直にそう思えた。


俺は母さんほど鈍感じゃないから。
夏休みにNYに行った時に、何となく感じていた。
帰国前に使っていた親父の部屋に母さんとリオは一緒だったし、マリの部屋もそのまま残っている。
今回、俺の部屋を用意したと言われたのだ。
書棚いっぱいの本、大きなデスク、最新のパソコン、クローゼットには今すぐ住めるくらいの服や靴も。
ハッキリ言われたわけじゃないが、大学はこっちだろうと思っていたし。
マリとの事もあったから、NYに早く行きたいって思っていたけども。
一応解決して、さやとの関係をどうにかしようかなとしている今では、ちょっと複雑かもしれない。

俺の目の前では、マリとさやが仲良く夕食を食べている。
うちのダイニングで、親父も母さんもリオもいる。
リオは先に食べ終わり、メイドが相手していた。
大体みんながデザートまで食べ終わったところで、親父が口を開いた。
「竜のこれからの話をする」
「あの、じゃあ私はこれで・・・」
席を立とうとするさやを親父が制した。
「君も聞きなさい。竜の将来は君にとっても大切な事だろう?」
「・・・はい」
「これは決定事項だ。覆す事は出来ない。竜は10月からNYに行く。本社での業務、及び大学、大学院と進学してMBAを取得。卒業後はヨーロッパの支店を周り、NYに戻る」
「・・・日本には戻ってこられない?」
「それはお前次第だ」
わかっていた事だけど、こうもはっきり言われると戸惑う。
母さんの顔を見れば、知っていたのだろう。
少し泣きそうな顔をしていた。
「つくしが竜と離れるのは寂しいんだとよ。しゃあねえからNYには定期的に行く。大学の長期休みはこっちに帰って来い。日本で仕事できるようにするから」
「学校は・・・?」
「卒業できるようにしてある。俺の時もそうだったんだ。4月まで待つと、大学の方が大変になるからな」
「そっか、NYか・・・」
椅子の背もたれによりかかり、天井を見上げた。
これが俺の選んだ道か。
すげぇな。
出来っかな。
そして、ふとさやを見た。
泣きそうな顔で俺を見ている。
「わかった。ちょっとさやと話してもいい?」
「あぁ。遅くなるようなら泊まっていけばいい。部屋も用意させる」
「ありがとう。さや行こう」
今は、誰よりもさやを優先すべきだと思う。
ダイニングの入り口で、親父たちに「ごちそうさまでした。お先に失礼します」と頭を下げているさやを待ち、一緒に廊下を進んでいく。
さやの不安な気持ちの表れか、俺の腕にピッタリくっついている。
何と言うのが正解なのかわからないまま、俺の部屋へと向かった。



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