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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 47

2か月ぶりの更新になってしまいました。
では、続きをどうぞ↓


「・・・俺が探してくる」
竜の顔が真剣で、俺は竜を信用しようと思えた。
隣で不安そうに俺を見上げるつくしに1つ頷くと、『リオおいで』と竜に手を出す。
俺らの空気を感じ取っているのか、リオも少し泣きそうな顔をしていた。
『大丈夫。ねぇねぇすぐ来るよ』
つくしがリオをあやし始めた。
「竜、30分だ。それ以上は待てない。誘拐の可能性も含め、警察を動かせる」
「わかった。カフェで待ってて」
走り出した竜の背中を見て、2人の問題はこのロンドンの旅行で決着がつきそうだなと思った。


どこにいんだよ・・・
デパートの中を走り回る。
この高級デパートで走ってる奴なんて俺くらいだ。
SP連れて歩いている人もそこそこいるような場所で、SPを目印に探すなんて無理だ。
マリがいそうなところ・・・
デパート中を走って、1つの階段に差しかかった時、見覚えのある背中が見えた。
息を整え、ゆっくり近づく。
「マリ」
肩をビクッとさせ、ゆっくり振り向いた。
「・・・竜」
「探したんだぞ」
「ごめん」
俯いたマリに近づく。
側にいたSPは、きっとマリに口止めされてたんだろう。
気まずそうに視線を泳がせている。
「大丈夫。親父には言わないから。ちょっと離れててくれる?」
SPを下がらせ、マリと2人きりになる。
喧騒が聞こえる階段の踊り場。
もう、はっきりするべき時期なんだと思う。
「マリ、よく聞いて。俺はマリが好きだ」
弾けるように顔を上げたマリは、驚きと困惑が混ざった表情を俺に向ける。
「だけど、付き合う事は出来ない。俺たちは兄弟だから」
「それは私たちが望んだ事じゃない」
「俺はマリと兄弟になる事を選んだ。母さんの幸せの為に」
「私は・・・」
次に何を言うのか。
マリは必死に言葉を選んでいるように見える。
人の悪口を言わない。
傷つけるような事など言わないマリらしい行動だ。
俺が好きになった理由の一つでもある。
「俺は、親父と母さんが幸せそうな顔してるのを見ていると嬉しいよ。リオが生まれて、すげー可愛いと思ってるし、大事にしなきゃなって。今の俺は、マリをリオと同じように愛そうと思ってる」
「兄弟って事?」
「あぁ。1人の女の子じゃなくて、大切な姉として」
「私は、竜の事こんなに好きなのに?諦めないといけないの?」
「周りを悲しませる結果になったとしても?」
言葉に詰まるマリ。
「少しずつでいいんだよ。少しずつ、な?」
「竜は大人だね。私はそんなに簡単に切り替えられない」
「簡単なわけないだろ!」
マリを諭していたはずなのに、思わず声を張り上げてしまった。
俺がどんな思いでマリを諦めたか。
兄弟として側にいる事を選んだ時、すごく悔しかった。
こんな風に出会わなければって思ったし、でも母さんたちの歴史がないと俺たちは出会う事もなかっただろう。
「・・・ごめんね」
素直に謝るマリに、申し訳なさが募る。
「いや、俺も怒鳴ってごめん。俺は酷い奴なんだ。マリを諦めるのに、さやを利用してる。マリの事を考えない時間を作って、気持ちを抑えてるんだ。好きにならなきゃよかったって、何度思ったかわからない。気持ちのやり場がなくて、どうしようもない時もある。それでも、マリを好きな時間は幸せだった。次に進む時なんだ」
後ろばかりを振り返ってはいられない。
「竜・・・ハグしていい?」
俺が1つ頷くと、マリは俺に抱きついてきた。
「・・・竜を好きな、1人の女としてハグするのは最後にする」
ヤバい。
泣きそうになってきた。
自分の中で決めた事なのに、それが俺たちの運命だってわかっていたはずなのに。
背中に回した腕が、離すなと訴えている。
俺たちの感情はあってはならない。
最後、最後なんだ。
背中に回した手を後頭部に回し、頭にキスを落とす。
俺がこんな事するようになったのは親父の影響だな。
離したくないけれど、時計を見ればリミットが近づいている。
「パパ達、どうしてる?」
「カフェで待ってるよ。そろそろ行く?」
「そうだね。竜」
体を離して、真っ直ぐ俺を見る。
「あなたを好きになれて良かった」
なんて事を言うんだ。
俺は何も返事が出来なかった。

結局、女々しくて諦めが悪いのは俺の方なのかもしれない。
側にいたら忘れられないから。
俺を好きでいてくれる子がいないと、忘れられないから。
さやにプレゼントを買うのは気持ちを繋ぎとめておきたいから。
自分の心に広がる闇を照らすのは、きっとこれからもマリのままだ。
「パパに怒られるかな?お母さん?うわーお母さん怒ったら怖いもんなー」
俺たちは兄弟だ。
「ちゃんと謝れよ」
「はーい」
カフェの一番目立つ席に、親父たちが座っている。
いなくなった娘を待っているようには見えない程談笑していた。
『あ、来た来た!何か飲む?』
母さんは何事もなかったように椅子を引きマリを座らせた。
「俺コーヒー」
「じゃあ・・・紅茶・・・」
怒られると思っていたマリは、拍子抜けした顔をしている。
オーダーした後、母さんが切り出した。
『勝手にいなくなるのは今日で最後よ。あなたは司と私の大事な娘なの。それだけは忘れないで』
「・・・はい。ごめんなさい」
泣きながら謝ったマリに、親父と母さんは慈愛の目を向ける。
これで、大丈夫だ。
きっと、大丈夫。



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COMMENT▼

更新ありがとうございます😊

良かった(^^)!
更新あると、ホッとします。

つかつくだけでなく、この2人にも幸せになってほしいなぁ。

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