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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 23

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ダイニングでふわふわのオムレツとジューシーなベーコンとコーンスープ、焼き立てのパンに新鮮な野菜のサラダ、フルーツ。
はちみつが乗ったヨーグルト、自家製トマトジュース。
朝からこんな朝食を食べられるなんて幸せ。
お腹一杯になってご馳走さまを言った後、青山さんが近づいてきた。
「大奥様がお呼びです。応接室にご案内いたします。竜様もご一緒に」
先にダイニングを出た道明寺のお母さんが、あたしたち親子を呼びだしている。
今、何を言われても大丈夫な気がしていた。
結婚を反対するなら結婚なんてしなくていいし、付き合うなって言われたら、もう会わなくてもいいかもしれない。
昨日の夜、会話は少なかったかもしれないけど、20年分の思いを吐けてスッキリしている自分がいるから。

道明寺やお姉さんの心配そうな顔を横目に、竜と2人で青山さんの案内の下、道明寺のお母さんの部屋の前に来た。
「大奥様、金石様と竜様をお連れしました」
部屋の中から通すようにとの声が聞こえ、あたしたちは部屋の中へと案内される。
「こちらに」
指示されたソファに座り青山さんが部屋を出ると、道明寺のお母さんが話し始めた。
「20年前、あなたたちの交際を認めておきながら、司に政略結婚の道を選ばせてしまった事、申し訳ないと思ってるわ」
『そんな、気にしないでください。私も心のどこかでわかっていました。受け入れるまで時間はかかりましたが、他の方と結婚して子供も儲けました。別れちゃいましたけど』
「あなたが今でも1人身なら、私は一生恨まれていたでしょうね」
『そんな事ありません。ど・・・司さんがNYに行っている間、ここで受けたレッスンはとても貴重で仕事に役立っています。私こそ途中で放棄しましてしまって、申し訳ありません』
「来なくなって当然よ。タマさんにはどれだけの嫌味を言われたかわからないけど」
あたしの隣にいる竜は、あたしたちの会話を真剣に聞いていた。

道明寺がNYに行ってすぐ、あたしの元には大きな封筒が送られてきた。
中にはレッスンのスケジュール表。
バイトの時間を避けて、移動時間も含め分単位で刻まれていた。
差出人の名前が道明寺楓になっていたから、あたしは意地でもやり遂げようと必死になった。
道明寺との付き合いを認めてもらった気がして、主のいない道明寺邸に通い続けた。
レッスンの日々で疲れたりすると、寂しさが募る時もあった。
そんな時は道明寺の部屋に入って勝手にシャツ着たりして、道明寺の香りに包まれて寂しさを紛らわせた。
あたしが邸に通っている事など道明寺は知る由もなく、別れる前日までレッスンは続いた。
別れを告げられた日から、レッスンを全て辞めてしまった。
道明寺邸に通うのが、あまりにも悲しすぎて、無意味に感じたから。

「・・・それで、本題に入るわ」
急にキリっとした顔つきに変わった。
あたしと竜も、少し背筋が伸びる。
「司とあなたが再び交際しようが、再婚しようが、あなたたちが決めればいいと思っています。40も過ぎた息子の恋愛にいちいち口を出すつもりもございません。でも、再婚するとなれば竜さんは司と養子縁組をし、道明寺の跡継ぎになります。血縁もない一般家庭で育った再婚相手の息子が道明寺を継ぐ事、妬み、嫉み、恨み、いろんな感情を持った人間が近づいてくるでしょう。」
それはあたしも気になっていた。
あたしたちが付き合ったり、再婚するとなれば一番影響されるのが竜だと思う。
まだ15歳の竜が、これからの人生ガラッと変わる事をどう思っているのか。
「これからの人生を、道明寺の為に生きていく事になるの。その覚悟がおあり?」

これはあたしが言う事ではない。
本人の意思を尊重すべきだ。
竜がどう答えるのかドキドキしながら、口を開くのを待った。

「僕は・・・正直、道明寺を継ぐとかよくわかりません。世界的な企業だっていうのは知ってますが、どれほどかもわからないし、継ぐ事がどれだけ大変かも想像もつきません。」
竜なりの考えを、真剣に話している。
「でも、母が道明寺さんと結婚して幸せになるなら、道明寺さんが父親になって、その背中を追いかけたいとも思います」
「追いかけるだけかしら?」
「・・・いえ、いつかは追い越せるくらいになりたいです」
「そう。・・・では、つくしさん」
『はい』
あたしへと体の向きを変えた。
「竜さんの英徳学園への進学を勧めます。セキュリティがきちんとしているところへ通わないと、何かあってからでは遅いわ。」
『はい』
「レッスンのスケジュールもこちらで組みます。ここに通っていただく事になるわね。」
「はい」
「つくしさん、もしもあなたと司に縁がなくなっても、竜さんの英徳大学卒業までの費用、及びレッスンはこちらで持つわ。」
『え、いや、そんなわけには』
「タマさんの最期を看取ってくれたお礼よ。竜さんが優秀なら、道明寺への就職も保障するわ」
あたしと道明寺が、再び別れる事なんてあるのかな。
ビジネスの世界も世間も知ったあたしたちは、きっと大丈夫な気がする。

『失礼します』
部屋を出ると、道明寺が壁に寄り掛かって待っていた。
『どうしたの?』
「ババァに何か言われたのか?」
『・・・心配?』
「当たり前だろ。お前だけならまだしも、竜もいるんだぞ?竜大丈夫だったか?」
あたしより竜の心配かい。
「大丈夫です。進学先やレッスンの話でした」
「はぁ?」
『英徳に進学しなさいっていう話』
「それは俺も前に言っただろ?」
『そうだね。でも今回はあんたのお母さんからの話・・・命令みたいなもんだから、竜に行く気があるなら良いかなって思って』
「俺が言った時は反対してた癖によ」
廊下を歩きながら、話をする。
『いろいろ調べてさ、カリキュラムも悪くないし、高校はあたしでも行かせられるなって思って』
「ばーか。俺が行かせるんだよ。俺の息子になるんだからよ、親として当たり前だろ?」
『・・・誰が結婚するって言ったのよ』
「・・・しねぇのかよ」
『・・・しないわけじゃないけど』
「だったらいつしても同じだろ?竜が入学するまでには籍入れねぇと。道明寺竜、良い響きだな」
1人で盛り上がってるから、放っておこう。
「じゃ、着替えてくる」
竜の部屋の前に来て別れた。
『あたしも。あんたも着替えないの?』
「もってなんだ?」
『お母さんに誘われてね、あたしたちも納骨に行く事になったの』
「そうか。お前しばらくここにいろよ。仕事休みだろ?」
『そうだけど・・・』
「俺も何もなければ3日くらいまでは日本にいるから。よし、決まりだな。着替えてくるわ」
あたしに反論する余地もなく、自室の方へと歩いていった。


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