FC2ブログ

It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

11<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>01

真夏の通り雨 18

続きをどうぞ↓

日付も変わって、部屋に戻った。
シャワーを浴びて、用意してもらったパジャマに着替える。
お酒の飲み方も覚えて、泥酔しないようになった。
ほろ酔い気分で、タマさんの祭壇に手を合わせに行こうと部屋を出る。
明日、納骨だって言ってたから。
ここで過ごす最後の夜を、少しだけ一緒に過ごしたかった。

部屋に近づくと、少しだけ部屋から明かりがもれているのが見える。
『失礼します』
時間も時間だし、静かに襖を開けた。
祭壇の前に置かれた座布団には、見覚えのあるクルクル頭の男が座っている。
胡坐をかき、膝の上に右肘を付いて顔を乗せていた。
あたしに気付いてないのかな。
『どう、みょうじ?』
ハッとして振り返り、あたしをマジマジと見る。
「あぁ・・・そういや泊まるって聞いたな」
再び視線は祭壇へと向かった。
少しだけ体をずらした道明寺。
隣に座り、線香をあげ手を合わせた。

「俺にとっちゃ、親より一緒にいた時間が長かった。棺桶に片足突っ込んでるなんてよく言ってたけど、実際焼かれてこんな小せぇ箱に入れられちまって、今度は真っ暗な墓の中だ。可哀想だよな。でも、ずっとここに置いとくわけにもいかねぇし」
『道明寺・・・』
「墓の場所、教えるから行ってやってくれよ。お前に会うのが一番喜ぶ」
『うん、もちろん』
「俺も行けたらいいんだけどな。遠すぎだ」
視線はタマさんに向いたまま。
視界に入る膝に置かれた道明寺の左手が、少し震えているようにも見える。
・・・もしかしたら、泣いているのかも。
今のあたしには、目の前で弱っているこの男を何とかしてあげたいって気持ちしかない。
道明寺の左手に、そっと自分の右手を重ねた。
『大丈夫。あたしがいるよ』
「牧野・・・!」
あたしの右手を握りしめたまま、体の向きを変えあたしの肩に頭を乗せた。
時々鼻をすする音が聞こえるけど、聞かないふり。
静かな部屋には時計の音しかしない。
あたしたちは、時に弱さを見せ合いながら過ごしてきたんだ。
全てをさらけ出すことで、これからを夢見ていた気がする。

落ち着いたのか、手を解いて抱きしめられる。
「お前にしかこんな姿見せらんねぇな」
『あたし・・・だけ?』
「あぁ。お前だけ。ずっと、お前だけだ」
なんだか、好きとか愛してるとか言われるよりも嬉しいかもしれない。
弱さを見せられる人があたしだけなんて、最高の口説き文句だ。
体を離し、目が合う。
「今夜は一緒にいたい。側にいてくれないか?」
ここで断れるわけがない。
今夜はあたしも一緒にいたい。
溢れる愛しさを、ぶつけたいって思った。

ストレートで、強引で、あたしの意見なんか10%も聞きやしなかった男が。
あたしの手を引き、ゆっくり廊下を歩いている。
疑問形だった。
道明寺も、大人になったんだ。
そしてあたしも。
部屋に近づくにつれ、どんどん冷静になっていく。
え、あたし、下着は借り物だけど、体が・・・
20年前と体型全然違うんだけど!
離婚してからそういうの一切ないし、竜産んでるから胸が・・・
「お前、その癖直ってないな」
クスクス笑いながら、部屋の扉を開ける道明寺。
『また口から出てた?』
「あぁ。思ってる事全部わかるからいいよ」
昔とインテリアが全て違っている。
そのまま部屋の中央に置かれたソファに座らされた。
「シャワー浴びてくるから、喉乾いてるならあそこの冷蔵庫にドリンク入ってるから好きなの飲んでいいぞ」
今までなかった小さなカウンター。
その奥に冷蔵庫が見える。
『あ、うん、わかった』
スーツのジャケットだけを脱いだ格好の道明寺は、ネクタイを外しカフスボタンを外しながらバスルームへと向かった。



ポチっとお願いします。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



COMMENT▼

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://stormstory849.blog.fc2.com/tb.php/393-35b91cb4

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

MAMI

Author:MAMI
原作、ドラマどっちもファンです!
設定が混ざってしまうかもしれません。
お許しください…

不定期にて週2回の更新が今の精一杯です…

たくさんのアクセス、拍手、コメントにいつも感謝してます!

バナーを作ってみました。
さらに、素敵なバナーも頂きましたので好きなのをお持ち帰りください。
当サイトはリンクフリーです。←今さら
好き勝手にペタペタしてくださいませ。


ログイン数

参加中

リンク

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR