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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 13

今回は司視点。


では、続きをどうぞ↓

ブー、ブー、ブー・・・
なんだっつうんだよ、こんな時間に。
スマホのバイブが鳴っている。
ベッドの中で、寝返りを打つ。
酒を飲まないと寝られない。
余程の時は睡眠薬を飲んで、ベッドに入る。
牧野と別れてから20年。
眠り方を忘れてしまった。
付き合っていた時、あいつが隣に寝ているだけで、短時間寝ただけでも疲れは取れた。
オフの日は、何時間でも寝ていられた。
今ではたまに、目眩がする時もある。
睡眠不足なのはわかっているが、酒を飲みたくない日もあるし、薬を飲んで起きられないのも困る時があった。
眠れはしないが横になっているだけで、体は少し楽になる。
体力はある方だが、年齢を考えれば仕方のない事。
それにしたって、いつになったら鳴りやむんだ。
画面を見ないまま通話ボタンをタップした。

『ちょっと道明寺!!竜に何着スーツ買ってんのよ!うちそんなに広くないんだから置きようがないでしょ!』
耳から離し画面を見る。
竜からの着信だった。
この声、この呼び方。
すげぇ心地良い。
でもあいつ、怒ってんな。
「・・・なんだよ。朝っぱらから」
『さっき青山さんがスーツ持ってきたの。買ってくれたのはありがたいけど、こんなにはいらない。成長期なんだから、すぐに着られなくなっちゃうし』
「着られなくなったらまた買えばいいだろ」
『そういう問題じゃないでしょ。ったく、竜を可愛がってくれるのは嬉しいけど、度が過ぎるのよ』
怒りは収まったのか、呆れ口調になった。
『・・・今何時?』
耳からスマホを離し画面を見る。
「・・・4時過ぎ」
『ごめんね、起こしちゃって』
「いや、いい。どうせ寝れねぇんだ。あと2時間もすりゃ西田が迎えに来るしな」
『仕事忙しいんでしょ?疲れた声してる』
ベッドヘッドにもたれかかり、目を閉じて牧野の声に集中する。
電話がかかってきた時の威勢はなくなり、今は心配の色を含む。
俺は昔から、牧野にだけは弱い部分を見せてきた。
それが今、無意識に出ているらしい。
「ベッドに入ったの2時過ぎだからな。疲れなんて取れねぇよ」
『そっか・・・なんか、うん、ごめん・・・』
「何をそんなに謝ってんだよ。変な奴」
『ちょっと、変な奴って。悪いと思ってるから謝ってるんじゃない』
「昔は頑固で、ケンカしてもお前から謝った事なんかなかったのにな。いつも俺が謝ってた気がする」
『それは、あんたが悪かったからじゃない?』
「そんなわけないだろ。牧野だって悪い時があった」
怒って掛けてきたはずの電話が、いつの間にか思い出話になっている。
電話も進化したんだな。
こんなに離れていても、牧野の声がクリアに聞こえる。
「・・・なんか、ねみぃ」
牧野の声が心地良くて、改めてベッドに横になる。
『あ、じゃあ切るよ』
「いや、そのままなんか話しててくれ。何でもいい。竜の話でも、タマの話でも」
『えー?そう言われると困るんだけどなぁ・・・あ、竜が小さい頃さ、学校でね』
牧野が話す竜の話に耳を傾ける。
時々相槌を打ってはいたが、意識は遠のいていった。

次に目が覚めた時、ベッド脇に立つマリとその少し離れた所に立つ西田とメイド、握りしめたままの携帯が見えた。
「パパ、仕事に遅れちゃうよ?珍しいね、こんなに寝坊するなんて」
そう言われて、スマホの画面を見る。
家を出る予定より1時間も遅れていた。

いつもよりもスッキリした頭、耳に残る牧野の声。
それは俺の体が、細胞が、牧野を求めている証拠なんだと思った。
「予定を変更いたします。お疲れのようですので、視察の予定を少し遅らせました。この後ですが・・・」
西田は寝起きの俺にすらすらとスケジュールを読み上げ、部屋を出ていく。
ほとんど頭に入らないまま、マリの頭を撫で、シャワーを浴びにいった。
簡単に会える距離ならば、今すぐにでも会いたい。
でもそういうわけにはいかねぇから、せめて声だけでも聞きたい。
今度こそ俺の手で守りたい、世界で一番愛しい女。


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