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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 11

今回は竜視点。

では、続きをどうぞ↓

道明寺さんと母さんの間に流れる空気は、子供ながらに見ていられないものがあった。
道明寺さんは母さんが何をしたって甘い顔をしているし、母さんはあんなイケメン相手に暴言を吐き顔を背ける。
母さんは道明寺さんを見たくないんじゃなく、見ていられないんじゃないかって。
2人が昔愛し合っていた事が想像できる空気感だった。

西田さんにいろいろお世話になったから電話を掛けた。
きっと、道明寺さんもすぐには帰らないだろう。
マンションの前にリムジンが停まっているのも邪魔だし。
数回のコールの後、「はい、西田です」と声が聞こえた。
「竜です。今日はいろいろお世話になりました」
「こちらこそ、司様の我儘にお付き合いいただきましてありがとうございました。・・・司様は、お母様とお話中でございましょうか」
「はい。その事も伝えようと思ったんです」
「左様でございますか。では、車を移動いたします」
車のドアの閉まる音、運転手に何か言う声が小さく聞こえた。
「ご連絡ありがとうございます。後日、本日オーダーしましたスーツ一式をお届けいたします」
「あ、はい。ありがとうございます」

西田さんは知っているのだろうか。
道明寺さんと母さんの事を。
聞いたら、教えてくれるかな。
タマさんでも知らない事もあるかもしれないし。

「・・・司様とお母様の事を、私に聞きたくてお電話頂いたのでしょうか」
「はい。教えてください。2人に何があったのかを」
「竜様は知る権利があると思いますので、私が知る限りの事をお話します」

出会いはタマさんから聞いていた。
4年の遠距離恋愛を終え帰国。
2人は順調に見えたが、それは道明寺さんが必死に隠していただけだった。
本当は日本への帰国さえも危うい状況だったが、両親が司の頑張りを認め帰国させた。
つくしと過ごす時間を与えたかったのだ。
終わりが見えていたのかもしれない。
半年経ち、司はつくしとの別れを決断した。
つくしとの未来がないなら死んでもいいと思っていた司。
それを踏みとどまらせたのもつくしだった。
つくしの部屋から仕事に行きたくないとワガママを言う司に毎回言うらしい。
「あんたにしか出来ない仕事でしょ。社員や社員の家族の生活守れるの、あんたしか出来ないじゃん。それってすごい事だし、あたしはそんな道明寺、尊敬してるよ」
道明寺を守る為に自分が出来る事、それは政略結婚だと悟り、別れを告げNYへと旅立った。
結婚して、子供も生まれ、子供にだけ愛情を注いだ。
子供は癒しだと、手帳に写真を挟み眺めることもある。
ただ、自分は思う。
つくしと別れて以来、本来の司の姿を見ていないと。
子供に甘えられる事を喜び、一緒にいる時は癒しを感じる。
でも、司自身が甘えられる、安らげる場所はなかった。

「お母様といる時だけ、司様は司様らしくいられます。きっとそれは一生変わらないでしょう。」

西田さんは、2人の復縁を望んでいるのだろうか。
2人の事を話す声色が、優しく感じる。
「流れに身を任せるのも、時にはいいと思いますよ。心の内は、お2人にしかわかりません。お母様の幸せを願うなら、見守ってあげていただけたらと思います」
「そうですね。母はいつも自分の事は後回しにしてきた人でした。母が幸せになるなら、僕は何も言いません」
「・・・本当に、お母様に似ていらっしゃる。そのままで、いてください。」
「・・・?はい」
そのままでいてくださいの意味はわからなかったが、聞き返す事もしなかった。

その後少し話をしていると、ドアの向こうから道明寺さんの声が聞こえた。
「帰るみたいです」
「わかりました。車を回します。本日はありがとうございました」
スマホをポケットに入れ、部屋を出た。

道明寺さんの話を聞いてしまったからか、母さんがキツイ言葉を言うのが聞いていられなかった。
それでも道明寺さんは、少し嬉しそうな顔をする。
・・・本当はドMなのかな、道明寺さん。
玄関のドアが閉まり、鍵を閉めた母さんは俺に向かってきてネクタイをめくった。
『・・・やっぱり。これネクタイだけで5万はするわよ』
「え、5万?」
ネクタイから手を離すと、大きくため息を吐いた。
『スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、ベルト、靴・・・あいつ何がしたいのよ。意味わかんない』
リビングに歩いていく母さんの後ろをついていく。
『クリーニング出すから、紙袋に入れといて』
「わかった」
ダイニングテーブルの上に、雑誌が置いてあるのが目に入った。
・・・そうだ。
これ、母さんが珍しい雑誌買ってるなって思ったんだよ。
「母さんは今でも、道明寺さんが好き?」
『・・・今でもって何よ。好きな人なんていません。あいつの事なんか、好きじゃない』
ソファに座って、両手で顔を覆った母さん。

母さんに話した事はないけれど、俺にだって好きな子はいたし少しだけ付き合ったこともある。
ファーストキスだって経験済み。
子供だけど、ちゃんと人を好きになった事もあるし、好かれた事もある。
それでも、今の母さんと道明寺さんは、俺には想像もできないような感情を抱いてるんだろう。
世界的な大企業の経営一族の道明寺さんと、一般家庭の母さんが上手くいかない事くらい俺にでもわかる。
ずっと好きな感情を持ったまま、他の人と結婚など出来るのだろうか。
わからない。
いつか、わかりたい。
それほどまでに、人を愛せる事を。



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