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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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真夏の通り雨 1

お待たせいたしました。
見切り発車ですが、連載を始めたいと思います。
つくしが司と再会するまではサクサクと進めますのであしからず。
では、どうぞ↓


『ぐすっ・・・うぅ~』

どれくらい泣いただろう。
玄関にいたけど、鼻水が出てきて部屋の中に戻った。
ティッシュで拭いても拭いても涙も鼻水も止まらなくて。
せっかくのメイクもボロボロだし、ワンピースも皺だらけになっちゃった。

本当は、いつかこんな日が来るとは思っていた。
見なきゃいいものを週刊誌で見てしまった道明寺の記事。
幹部による巨額の横領事件が起きて、株価が低下した。
自力で何とか頑張ったものの、他企業からのサポートが必要だった。
名乗りを挙げた企業には一人娘がいて、サポートの条件が道明寺との結婚だなんて。
写真を見ただけでもわかる、とんでもなく美しい人。
あたしはきっとフラれる。
その日が来るまで、道明寺の彼女としての時間を楽しもうと思ったんだ。


一日中泣いて、外はすでに日が沈んでいた。
泣き腫らした目は少ししか開かないし、ティッシュで鼻をかみすぎてちょっとヒリヒリしてる。
『電気つけよ』
明かりがついた部屋で、テーブルの上にある花束だけが浮いて見えた。
よく花束をくれた。
季節によって違う花がアレンジされていて、飾るのが楽しみだった。
その為に花瓶を買ったくらい。
花束を見ると、道明寺の涙を思い出す。
初めて見る涙はとてもきれいで、この別れが本意じゃないって教えてくれた。
自分たちで何とかできないのが苦しいよ。
幼かったあたしたちの恋物語は終わりを遂げた。
幸せになれよって言ってくれた。
ありがとうって言ってくれた。
あたしはあたしで、生きて行かなくちゃ。

花束から花を一輪抜いて、分厚い本で挟んだ。
押し花なんて何年振りだろう。
このくらいならいいよね。
だって別れたからってすぐには嫌いになれないんだもん。
大学卒業目前にして、あたしは1人になった。
でも、大丈夫。
就職も決まってるから。
大丈夫、大丈夫・・・
そう自分に言い聞かせた。

次の日からF3や滋さん、桜子から電話がかかってきたけど一切出なかった。
ネットニュース見たからでしょ?
道明寺の婚約は瞬く間に世界中に広まった。
まぁ、その相手はあたしじゃなかったけど。
F3と滋さんは先に社会人になって忙しいから、大学を卒業してから会う機会も減った。
桜子も大学と共にエステティシャンになる為の勉強で忙しくしていて、昔ほど会わなくなっている。
このまま、会わずにいよう。
道明寺に繋がる人たちに、今は会いたくない。
思い出すには辛すぎる、悲しい別れだったから。


社会人3年目。
あたしは同じ部署の先輩と付き合い始めた。
これがあたしの求めていた普通のお付き合い。
割り勘で食事したり、休みの日はデートしたり、お互いの家に行ったり。
プロポーズされて、あたしは承諾した。
これがあたしの求めていた普通の結婚。
なのに、何でだろう。
どこか物足りないと思ってしまうのは。

息子を授かった。
それはそれは本当に可愛くて、目に入れても痛くない程。
あたしは仕事と育児と家事でいっぱいいっぱいになっていた。
旦那の怪しい行動にも気付かないくらいに。
母親になったあたしは、妻である事を疎かにしていたのだ。
息子の竜が小学校に上がる頃、彼から離婚してほしいと言われた。
竜が小さい頃は気付かなかったけど、少しずつ手がかからなくなってきた頃から気付き始めた。
彼の浮気、そして、彼女に本気になっていっている事も。
話し合いは冷静だった。
少しの慰謝料と、毎月の養育費。
「俺はつくしを愛していたけど、つくしは俺を愛していなかった。竜しか見ていなかったね」
『そんな、あたしだってちゃんと愛してたよ』
「側にいてくれたら誰でもよかったんじゃないか。それが俺から竜に変わったんだよ。・・・つくしが夜中に起きて泣いてた事知ってるよ。忘れられない人でもいるんじゃないのか?」
『・・・そんな人いないよ。勘違いしないで』
「つくしがそう言うなら信じるよ。引っ越しなんだけど・・・」
冷静なんじゃない。
感情的になる事が出来なかった。
それだけ、あたしもいつの間にか愛情がなくなっていたんだ。
8年の結婚生活が、あっという間に幕を閉じた。


今でも道明寺の夢を見る。
途中で目が覚めちゃう事が多くて、続きを見た事がない。
それはきっと、未来がなかったあたしたちと同じ。
時々あの押し花で作ったしおりを眺めて、懐かしい日々を思い出す。
2度と経験できないような事がたくさんあった。
忘れたくないって思ってしまう。
あたしの心を今でも掴んだままの、あいつの事も。



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