FC2ブログ

It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

11<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>01

花束を君に

たくさんの拍手、拍手コメ、コメントありがとうございます。
先日コメントでリクエストを頂き、息抜きついでに書いてみました。
実は単独の短編って書くの初めてで、ちょっとドキドキです。
放送中の朝ドラ主題歌、教えていただいてから聞きましたが本当につかつくの世界観で泣けてきます。
そして出来あがった短編も、切ない悲しいお話です。
この歌詞からハッピーエンドは難しい・・・
楽しんでいただけたら嬉しいです。

では、どうぞ↓


「この花を使って花束にしてくれ。あまり大きくなくていい」
「はい。かしこまりました」
牧野のアパートに行く途中にある花屋。
男のフローリストがいて、話もわかるしよく行っていた。
もう最後かもしれねぇな。
そう思いながら、作られた花束を受け取った。

普段は車で向かうが、今日は歩いていきたい気分だった。
少しでも時間稼ぎをしたいといったところだろうか。
もう来ることはない道をゆっくりと噛みしめて歩く。
2人で近所のスーパーに行った。
俺がいるからって米を持たされたな。
俺の歯ブラシを買いにコンビニに行った。
すぐそばの棚に並んでいたコンドームを真剣に見ていたら怒られた事もあった。
全ては思い出に変わってしまった。

徐々に変わっていく状況に、牧野には心配掛けさせまいと話せずにいた。
もしかしたら、新聞やニュースで知っているかもしれない。
俺の結婚でしか救えない今の状況を、どれほど恨んだことか。
牧野、俺はこれからお前に別れを告げる。
それが、道明寺司として生きていく道なのだと知ってしまったから。

モニターも付いていないインターホンを押せば、ドアから牧野が顔を出す。
『おはよう。まだ準備終わってないの。部屋に入って待ってて』
「牧野、話があるんだ。座ってくれ」
ハッとした顔をして、小さなテーブルを挟んで座った。
『コ、コーヒーでも』
「いや、いい。座れ」
所在なく視線を彷徨わせる牧野。
テーブルの上に花束を置いた。
きっと、今日は久しぶりにデートできると思っていたんだろう。
あまり見た事がないワンピースに、普段はしないメイクまでしている。
バイト帰りの牧野に会うといつもノーメイクで、それはそれで可愛いのだが。
こうしてナチュラルでもメイクをしていると、2人で過ごしてきた年月を感じる。

「俺はお前に出会って、いろんな事を知った。牧野んちは究極かもしれねぇけど、一般家庭がどんな生活をしているのか知れた。愛情を知らなかった俺に、お前は愛を教えた。何も不満がない生活をしていたら、お前に惹かれる事もなかったかもしれない。今は全てに感謝してる」
『道明寺から感謝っていう言葉を聞くなんて』
「全てはお前がいたからだよ」
『・・・やめてよ、なんで過去形なのよ』
「今までありがとうな、牧野。俺と別れてくれ」
俺を見つめたまま、牧野は何も発しない。
目に涙を溜めて、溢さないように必死にも見える。

『ズルイよ、道明寺。なんで、なんであんたが泣いてるのよ』

言われて初めて、涙が頬を伝っている事に気がついた。

「バカ、俺が泣くわけないだろ」
手で乱雑に拭った。
「仕事でもいい。誰かと結婚してもいい。必ず幸せになれよ、牧野」
『一緒に幸せになるって約束したのに、それは叶わないの?』
「悪いな、できそうにもない」
下唇を噛んで、泣かないように必死に耐えている。
牧野が泣いてしまったら、俺の決心が鈍る。
泣き顔を見る前に帰った方がいい。

「この花は、最後のプレゼントだ」
『ありがと』
「じゃあな」
立ち上がって玄関に向かう俺の背中に、牧野が抱きついてきた。
『最後に少しだけ』
いつもこんなことしない癖に、今日に限ってしてくるなんて。

振り向いたら、顔を見たら終われなくなる。
牧野の手をそっと離し、靴を履いた。
玄関のドアを閉めて、深く息を吐く。
家の中から牧野の泣き声が漏れてくるが、聞かないように。
戻って抱きしめたい気持ちを抑え、来た道を歩いて帰る。
太陽を失った俺は、これからどっちを向いて生きていこうか。

どんな言葉でも牧野を表すのには足りない気がする。
俺にとって、一生大切な人。
さようなら、愛しい人。
君の幸せを誰よりも願う。



ポチっとお願いします。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



COMMENT▼

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

悲しい短編ですね。。でも、素敵。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://stormstory849.blog.fc2.com/tb.php/362-1dfa2278

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

MAMI

Author:MAMI
原作、ドラマどっちもファンです!
設定が混ざってしまうかもしれません。
お許しください…

不定期にて週2回の更新が今の精一杯です…

たくさんのアクセス、拍手、コメントにいつも感謝してます!

バナーを作ってみました。
さらに、素敵なバナーも頂きましたので好きなのをお持ち帰りください。
当サイトはリンクフリーです。←今さら
好き勝手にペタペタしてくださいませ。


ログイン数

参加中

リンク

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR