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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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傷痕さえも愛しくて 17

一日でも早く日常を取り戻せるように。
今できる事を、少しずつやっていきたいです。

では、続きをどうぞ↓

ったく何なんだ、あの男は。
人をなんだと思っている。
内線で呼びつけたかと思えば、普通なら秘書がやるような事務処理をあたしにやらせて。
あたしが喉乾いたって言えば、秘書に持ってこさせる?
秘書の仕事をあたしがやってるのに、そんなところ見せられるわけないじゃない。
本当にデリカシーっていうもんが昔からないのよね。
・・・もう、昔から変わってなさ過ぎて困っちゃう。
近くに行けば香るコロンも同じままで。

あの日、道明寺の側に行きたいと思って踏み出した一歩を思い出す。
香りは、いつまでも心の中にしまっておきたい思い出と、忘れたい切ない記憶を引き出して。
もう一度あの腕に包まれたいという女心が疼き出す。
倖の為に生きていく。
そう決心して産んだはずなのに。
いつも仕事をしながら飲んでいるハーブティーを淹れながら、溜め息がこぼれた。

マイボトルを持って、道明寺の部屋に戻った。
さっきと変わらない状況のまま、書類を作っていく。
・・・体勢が悪くて腰が痛くなりそう。
あんまり本性を出すのもどうかと思うけど、こればかりは文句も言っていられない。
ヒールを脱ぎ、ソファーの前のカーペット敷きの床に座った。
はぁー落ち着く。
家で仕事してるみたい。
作業効率も上がり、2時間かからないで出来上がった。

自分の部屋にあるプリンターに印刷指示を出し、目の前のファイルを片付けていく。
『終わりました。今部屋でプリントしてるので持ってきます』
「あぁ」
目線を上げずにあたしに言う。
持ってきた書類を手に取り、めくりながら読んでいる。
「上出来だ。お前が第2秘書の方がいいんじゃねぇか?」
『私は弁護士ですから。お断りします』
「これからも頼むな。あの女より格段にわかりやすい」
『私の仕事もありますので、出来かねます。柴田さんにやってもらってください。彼女の仕事なんですから』
「あいつ仕事できねぇクセに、媚売るのだけは一人前なんだよ」
眉間に皺を寄せ、思い当たる節があるのだろうか苦い顔をした。

秘書変えてもらったら?
なんてお節介が口から出そうになったけど、寸でのところで止まった。
親しくなるのは良いことなのか。
ずっと考えてるけど結果が出ない。
あたしが知ってる道明寺。
あたしが知らない道明寺。
どちらの姿も、見ていたいと思ってしまう。


数日後。
廊下がザワザワしているのでドアから顔を出してみた。
支社長室に向かう作業服姿の人達。
運んでいるのはデスクとオフィスチェア。
そのすぐ後に総務部の人がPCやプリンターを運んでいる。
・・・何事だろう。
あたしには関係ないか。
ドアを閉じて、自分の仕事に取りかかった。

1時間後。
支社長からの内線がかかってくる。
「すぐに部屋に来い」
また法律の事かと思い、今支社長が抱えている案件に関する資料を持って部屋を出た。
ノックして返事があったので入ってみれば、部屋の中に新しいデスクが設置されている。
結局は秘書の為にデスク置いてんじゃない。
『どれですか?』
資料を開きながら聞いてみるが、一向にファイルを開く気配がない。
「牧野、」
『・・・はい』
「お前のデスクだ」
『・・・はぁ?』
椅子を回し、デスクのある方を向くとニヤリと笑った。
「これでお前は心おきなく資料作りができるだろう?」
振り向きざまに向けられた微笑みは、あたしの心臓を跳ね上げるには十分な効果があった。
顔面偏差値が高いのは、こういう時卑怯よね。
納得してしまいそうになるのを必死に抑え、資料を握る手に力を入れる。
『私は弁護士です。あなたの秘書ではございません!』
「来月からプロジェクトは大詰めに入る。商談にも同行するお前は会議にも出る回数が増えるんだぞ?ここで仕事するのがどれだけ効率的かわかるか?」
『・・・わ、わかりますけど・・・』

そうなのだ。
このプロジェクトのスケジュール表だと、来月からあたしは道明寺につきっきりになる。
こんなにあたしが必要?と疑問になるくらい同行させられる会議に商談。
確かにここにいる方が効率的ではある。
でも・・・でも・・・!!

「決まりだな」

あたしはこの先、どうなってしまうのだろう。



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