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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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傷痕さえも愛しくて 5

つくしが子供を産むときはいつも類が傍にいるけど、このお話はちゃんとつかつくです!
これから司も出てきますからね~

では、続きをどうぞ↓


生後3日目。
夜、みんなが寝静まった時間にドアをノックする音が聞こえた。
看護師の巡回だと思い、返事をする。
入ってきたのは、予想だにしない人だった。

『あ・・・え、何で、こんなところに・・・?』
「お久しぶりね、牧野さん。出産御苦労さま」
『あり、がとうございます』
鼓動が速くなる。
なんて不釣り合いな光景なんだろう。
秘書の西田さんを連れ、道明寺のお母さんが来ているのだ。
この状況、絶体絶命!?

「司が生まれた時そっくりね。血は争えないわ」
あたしがいるベッドのそばまで来ると、隣のベビーベッドに眠る赤ちゃんの頬を撫でている。
・・・あ!!道明寺の子だってバレてる!!
どう言い訳しようか。
頭の中でグルグル考えてみるも、産後は思考回路が働かないと助産師に言われた通りに何も思いつかない。
むしろ考える事を拒否するかのように、頭の中は真っ白だ。

「帝王切開だったって伺ったわ。」
『・・・陣痛の途中で子供の心拍が弱くなって、分娩まで持たなかったんです。それで・・・』
「大変だったわね。」
『そんな事は何も!』
怖いよ~
あたし労われてるよ~
お腹の傷がズキズキしてる気が・・・
「今日はあなたにお話があって参りました。」
『はい・・・』
何を言われるのか。
心臓が飛び出るんじゃないかっていうくらいドキドキしてる。

「この子を引きとらせていただきたいの」
『・・・・・・は?』
その一言に、あたしの頭からサーっと血が引き冷静になった。
『仰っている意味がわかりません』

「言葉の意味通りよ」
『でしたら、お断りします』
キッと睨めば、道明寺のお母さんはフッと笑った。
「あなたの病気の事も伺いました。病状も、生存率も。私個人の意見として聞いていただけるかしら」
『何ですか』
「あなたにもしもの事があった場合、この子の面倒は誰が見るの?自分たちの生活を守るだけで精いっぱいのご両親と、学生の弟さん。限りがある事くらいあなただってわかるわよね?私はこの子に、母親を失くす悲しみを背負ってほしくないの。だったら初めから、いない方がいいわ。」
『いない方がいいだなんて、なんでそんなひどい事が言えるんですか!』
「私は全うな事を言っているだけよ。別に私は一生会えないとは言っていません。あなたの病気に回復の兆しが見えたら迎えに来ればいいわ。こちらで面倒を見ている間に大学に通い、一生もののスキルを身につけなさい。もし司が記憶を取り戻して、あなたと結婚したいと言うならば反対もしません。もう子供が出来てしまった以上、他のお方というわけにはいかないでしょう。」

何を言われるのかドキドキして、勝手に子供を引き取りたいと言われて怒り心頭で、最後は記憶が戻れば道明寺と結婚してもいいと言われ、あたしは何から考えていいのかわからなくなった。
念頭に置きたいのは、嫌味だけでなくあたしの病気を考えてくれている事。
確かに入院したりするかもしれない。
その間、子供はどうするのか。
ずっと実家暮らしというわけにもいかないのは百も承知だったし・・・
だからって、そんなすぐに子供を手放せるわけではない。
今回の出産だって、本当に命がけで大変だった。
もう2度と、病気のせいで望めないかもしれない子供を、病気のせいで手放すなんて悲しすぎる。

「退院する日に迎えに来るわ。あなたに選択肢はないの。おわかり?」
『選択肢はないって、そんなのあんまりです!』
「この子の為よ。あなたが命がけで産んだの。私たちは、お金も手間も掛けて立派に育てる事を保証するわ。」
『嫌です・・・!あたしからこの子を奪わないでください!』
「私はあなたが憎くて言っているわけではないの。それだけは理解してくださるかしら。
高校中退のあなたには、この子に満足な教育環境を整えてあげる事も出来ないでしょう?孫がそんな環境で育つなんて、黙ってみていられるわけないじゃない。西田」
「はい」
怒りもあるけれど、悲しくなってきたあたしは涙を浮かべていた。

そんなあたしの前に差し出された一枚の紙。
「あなたはこれから、高卒認定試験を受けて大学に通いなさい。あなたの学力ならまだ間に合うわ。道明寺ホールディングスに就職して、司の側につけます。部下でも秘書でも、あなたなら務まるでしょう?」
試験のスケジュールから、受験候補の大学、やるべき習い事まで書いてある。
「費用は全てこちらで持ちます。この子を迎えに来る準備だと思って取り組むことね」

あたしはこの子を産んで、これから幸せになろうってとこだったのに。
一気に地獄へ落とされた気分だ。
神様はどれだけ意地悪なんだろう。
あたしからこの子まで奪おうとする。
手放すなんて、できそうにもないよ・・・

「それでは3日後に。名前だけはあなたが決めなさい。出生届はこちらで出すので、母子手帳と一緒に用意しておくように」

返事をする気にもなれず、放心状態だった。
そんなあたしを見兼ねたのか、道明寺のお母さんはそのまま病室を出ていった。

眠る我が子をベビーベッドからそっと降ろし、胸に抱いた。
あと3日でさよならしなきゃいけないの?
こんなに小さくて愛しい存在を、渡さなければならない現実。
成長をこの目で見られない辛さ。
『やだよぉ・・・離れたくないよぉ・・・』
止まることない涙が、子供の肌着を濡らしていた。



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