FC2ブログ

It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

11<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>01

あの雨の日に 30

1日置きに掛けあっていた電話も、3日置き、1週間、2週間・・・
今自分にできる事は、電話掛ける事ではない。
お互いが、言葉にしなくてもそう思っていた。
これは、俺たちの関係が強い信頼関係で結ばれているからこそ、このような結果になったんだ。
寂しさを感じないと言えばウソになる。

気を許せる友人はいる。
何でも話せるし、会話がなくてもその空間が苦にはならない。
でも、側にいてほしいと思う女は牧野だけだから。
あの温もりを感じながら眠りたいと、毎晩のように思う。

季節が過ぎゆく度に、今はどこにいるんだろうと考えはしても詮索はしない。
親父のスケジュールを西田に聞けばわかるが、聞いてしまえば会いに行きたくなるから。
目の前の突き進むべき道を、今は俺のペースで進むだけ。



約束の1年まで、あと1ヶ月も切ろうかという時。
NYで発売されたゴシップ誌が俺の元に届いた。

息子の婚約者を紹介する道明寺氏

真っ白なロングドレスを身に纏った牧野が、親父と腕を絡ませ誰かに挨拶している写真だった。
自分の秘書が、息子と近々婚約すると紹介して回っているという記事。

自分の写真など送ってこない牧野。
俺の携帯に入っているのは約1年前に撮った写真だけ。
久しぶりに見たその姿に、ヘアメイクのせいもあってか綺麗さ数倍増しでドキッとさせられた。

こんなに綺麗になった牧野を、誰にも見せたくない欲が渦巻く。
俺だけが見られればいいのに。
誰にでも笑顔振りまきやがって。
早く、俺の元に帰って来い。
もうすぐ、約束の1年だ。


1年前と同じ日。
俺はプライベートエアポートに来ていた。
西田からの突然のオフは、去年も牧野の見送りの為だった。
今年は出迎えの為。
俺がこんな事するのも牧野だからであって、他の奴では考えられない。

ジェットが着いて、タラップから牧野が降りてきた。
伸びた髪をなびかせ、俺を目がけて走り寄ってくる。

「ぅおっと」
その勢いのまま、俺に抱きついてきた。
久しぶりの感触、匂い、温もり。
首筋に顔を埋めるように少し屈み、腕に閉じ込めそれらを確かめた。

体を離せば、満面の笑みで牧野が俺を見上げる。
『ただいま、道明寺』
「おかえり、牧野」
行く時は離れがたくなるのが嫌で、触れるだけのキスしか出来なかった。
帰ってきた今は、そんな事を考えなくてもいい。

顔にかかる髪を避け、そっと唇に自分の唇を重ねた。
その瞬間、俺の全身に血が通ったように熱くなる。
1年間、牧野の存在が足りなかった。
再会からの数カ月が嘘なんじゃないかと思うような日々だった。
やっと戻ってきた事に安堵して、それがすぐさま欲へと変わる。

もっと、もっと、とキスが深くなる。
牧野の鼻から漏れる吐息に、時折聞こえるクチュクチュという水音に。
いろんな事話したかったはずなのに、触れたい欲が上回る。
牧野が俺の胸を叩いて、やっと離してやる事が出来た。

『苦しいよ、バカ』

電話越しでもなく、メールでもない。
直接聞く憎まれ口に、顔が緩む。
『何笑ってんの?』
「お前が帰ってきて嬉しいんだよ」
頬を染め、俺を見上げる牧野。
「渡したい物がある。邸帰ろうぜ」
『・・・うん』
手を繋ぎ、車に乗り込んだ。

邸に戻り、タマとの再会を早々に引きはがし部屋へと向かう。
「牧野にプレゼントがあるんだ」
何の事かと首を傾げている。
その扉を開けた瞬間、目を見開いていた。

『・・・キッチン?』
「あぁ。お前、料理するの好きだろ?お菓子作ったりするのも。もう魚くせぇクッキーはごめんだからよ、オーブンも備え付けだ。」
バッグをソファに置くとキッチンに駆け寄り、ありとあらゆる扉を開けている。
俺には分からないが、キッチン用品も食器も一通り揃えさせた。

『すごい!こんなキッチン夢だったんだぁ。ありがとう、道明寺』
牧野の笑顔が見られるだけで、俺は満足。
「牧野、もう一つあるんだ」
『何?』
ソファの近くに立っていた俺の元へ近寄ってくる。

この1年で、デザインから石から全てにこだわって作らせた。
出来上がったばかりで、早く渡したくてたまらなかったんだ。
「俺は、牧野なしでは生きていけない。俺の人生に光を与え、彩りを与え、全てを潤すのはお前がいるからなんだ。俺と、結婚してくれないか?」
『・・・プロポーズって、あたしを幸せにするとか言うもんじゃないの?』
「俺が幸せなら、お前も幸せになれるだろう?」
そう、俺は牧野に幸せにしてもらいたい。
牧野にしか出来ない、唯一の事。
『その自信たっぷりなとこがムカつく!・・・でも、あんたを幸せに出来るのはあたししかいないんだもんね。道明寺と、結婚してあげる』
勝ち誇ったような顔をしている牧野の左手薬指に、指輪を嵌めた。
『何これ・・・』
「お前の為にデザインしたんだ。この透明度のダイヤは珍しいんだぜ」
『い、いくらするの・・・?』
「言ったらお前受け取らねぇって言いそうだから言わない」
『その方がもっと怖いって!』
ちっとも嬉しくなさそうな牧野に、俺はイライラしてくる。
値段ばかりを気にして、俺が牧野の事を考えて作った事などどうでもいいかのように。

俺の顔が険しくなっていくのがわかったのか、牧野がブツブツ言っていたのが止まった。
『・・・ごめん、あたしの為に作ってくれたんだよね。ありがとう。受け取らせていただきます』
その言葉を渋々受け入れた。
『値段抜きにしたら、すごく可愛いね。光に映えて、すごいキラキラしてる』
手を挙げて、いろんな角度から指輪を見ている。
喜んでいるようだから、いいとしよう。

今日はせっかくのオフ。
無駄にしないようにしなければ。



ポチっとお願いします。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



COMMENT▼

つくし、お帰り~。
司も私も待てたよ。
昔の反対だね。司が雑誌で会えないつくしを確認するなんて・・・。
写真の向こうにいるつくしは、会いたい心を膨張させるほどの美しい女性に変貌していた見たいね。きっと父上に知性と知識に磨きをかけられ特上のレディーになったのかな。それもきっと司の隣に堂々と並ぶためだよね。

帰ってきたらもう、二人を隔てるものなんてありませんよね。
これからは甘甘な二人がみれるのかしら?

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://stormstory849.blog.fc2.com/tb.php/329-4e956054

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

MAMI

Author:MAMI
原作、ドラマどっちもファンです!
設定が混ざってしまうかもしれません。
お許しください…

不定期にて週2回の更新が今の精一杯です…

たくさんのアクセス、拍手、コメントにいつも感謝してます!

バナーを作ってみました。
さらに、素敵なバナーも頂きましたので好きなのをお持ち帰りください。
当サイトはリンクフリーです。←今さら
好き勝手にペタペタしてくださいませ。


ログイン数

参加中

リンク

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR