FC2ブログ

It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

11<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>01

あの雨の日に 28

結局あの後、たらふく飯を食って少し飲んだだけで牧野はソファで寝てしまった。
メイドが持ってきたブランケットを牧野に掛け、皆に向き直る。

「お前らにも協力してもらいたい」

昨今のウエディング業界は、地味婚という若い人の間で流行りつつある風習に頭を悩まされていた。
約半数の夫婦が式を挙げないが、その式を挙げない夫婦の8割が離婚している。
それを逆手に何かできるのではないかと、思案しているんだ。

「理解できないんだよね。私たちは式を挙げないって選択肢はないでしょ?嫌でもお披露目しなきゃいけない。無駄にお金掛けて、名前も知らない招待客がいる披露宴をしなきゃいけないんだもん」
「よく結婚式は女性の為にするとか言いますけど、披露宴は男性の為だと思いません?私たちの世界では、自分はこんな人と繋がっているんだっていう自己顕示欲の現れですよ。皆さんだって披露宴に呼ばれた時そう思うでしょう?会社の繋がりだけなのに、なぜ自分が出席しなければいけないのかって。」
「まぁ、そう思う時もあるよな。この間呼ばれた披露宴、新郎が結構な歳で禿げてんのよ。隣で類が肩震わせながら下向いてるんだぜ?こっちがヒヤヒヤしたんだからな」
あきらがそう言った披露宴、俺も出席していた。
確かに、あの親父は笑えたな。
「あれはあの人が悪い。わざとテカるようになんか塗ってた」
「そんなわけねぇだろう」
「じゃなきゃあんなに光らない・・・ククッ」
突然笑いのツボに入った類。
放っておくことにして話を続けた。

「低予算じゃ売り上げは見込めない。でも数はこなさないとならねぇ。全くどうすりゃいいんだよ」
頭を抱えた俺に、みんなが笑っている。
「何だよ、お前ら。人の顔見て笑いやがって」
「いや、司も牧野の為なら一生懸命になるんだなと思ってよ」
「当たり前だろうが。この売上で結婚できるかどうか決まるんだぞ?採算なんか無視してでも、絶対やってやるんだよ」
「採算無視したらダメだろ。それじゃ親父さんも納得しねぇって」
「俺らも出来る限り協力してやるからよ。司も頑張れよ」
「・・・おぉ」

「それにしても、司のお父さんも考えたよね」
パフレットを眺めていた滋が突如言いだした。
「何をだ?」
「ほら、司ってゲイだって噂されるくらい女の人ダメになっちゃったんでしょ?それなのにさ、一般人相手にこんな顔してちゃ騒がれちゃうよ。相手は誰だ?って。」
「そうですね。お父様の秘書として働いていれば、どんなに騒がれても道明寺で守ってあげられますもの。静かに暮らす事、働く事を先輩から奪わなかった。何枚も上手ですね」

気がつかなかった。
俺は近寄ってくる女がいなくなればいい。
牧野が彼女だと知らしめることができればいいくらいにしか考えていなかった。
その後の牧野の生活など、考えた事もなかったのだ。
周囲にこれでもかと気を使う牧野が、もし俺との関係をマスコミに追われでもすれば仕事を辞め引っ越すのは簡単に想像できたはずなのに。

隣のソファで眠る牧野の髪を撫でる。
サラサラの髪は、俺の知らない間に胸辺りまで伸びていた。

「俺らも帰るか。牧野ベッドで寝かせてやれよ。明日の見送りは、司に譲ってやるからよ」
「そうだな。2人で熱―い時間過ごせよ」
「うるせーよ」
「牧野によろしくね。メールするって言っといて」
「メール?」
「うん。さっき番号交換したから、メールしようねって言ってたんだ。司が渡したスマホなんでしょ?料金も気にすることないよって言っといた。」
「類、てめぇ・・・」
「まぁまぁいいじゃねぇか。俺らも交換したし」
「はぁ?いつしたんだよ」
「「「司がトイレ行ってる間に」」」
「お前ら!!俺の知らない所で牧野に連絡するんじゃねぇぞ!いいな!牧野は俺の彼女なんだからな!」
「わかってるってば。ホントうるさい」
耳を塞ごうとする類に、声を荒げた。
「お前が一番信用ならねぇんだよ!」
「別にいいでしょ?俺たちだって牧野の友達なの」
支離滅裂なのはわかっている。
それでも、牧野に勝手に連絡するのは納得がいかない。

「ホント独占欲強いよね。つくしも良くやってられるよ」
「先輩ドMなんじゃないですか?束縛されるのが快感とか」
「それって超変態じゃん!・・・でもさ、これだけ愛されてるつくしが羨ましい」
「そうですね。私たちも、いい人見つけましょう」
「そうと決まれば合コンよ!司に負けないくらいイイ男見つけるわよ!」
「あれ以上の人を見つける方が難しいと思いますけど」
「大丈夫よ。今度ね、社会人ラグビーやってる人と連絡取れそうで・・・」

寝てる牧野。
あくびをし始めた類。
女に連絡を取ってる総二郎とあきら。
合コンの話で盛り上がる滋と桜子。
俺らしくいられる場所は、皆が自分勝手。

それでも。
各々が立ち上がり、出口へを向かう中。
「頑張れよ。パンフレット、うちに運んでくれ。お弟子さんに宣伝しといてやるよ」
「うちも。司と牧野の為だもんな。総二郎の家ほど持って来られると困るぞ。頑張れよ、司」
「うちは少しでいいよ。お前らが幸せになってくれないと、俺も気分良くないし」
「私んとこはいっぱいあってもいいよ~社員にも配ってあげる!大丈夫だって、司ならできるよ!」
「私は少しでいいです。大々的には言えないので、さりげなく宣伝します。先輩の為ですからね。協力は惜しみません」

「サンキュ」

「司のお礼なんて激レア」
「これも全部、あそこで寝てる牧野のお陰だな」
帰ろうとしている奴らを見送るのに、リビングのドアの前に立っていた。
振り返り、寝てる牧野をみんなが見てる。
「・・・頑張れ、牧野」
類が代表するように声を掛け、静かにドアを閉めた。


ポチっとお願いします。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



COMMENT▼

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://stormstory849.blog.fc2.com/tb.php/327-c982356c

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

MAMI

Author:MAMI
原作、ドラマどっちもファンです!
設定が混ざってしまうかもしれません。
お許しください…

不定期にて週2回の更新が今の精一杯です…

たくさんのアクセス、拍手、コメントにいつも感謝してます!

バナーを作ってみました。
さらに、素敵なバナーも頂きましたので好きなのをお持ち帰りください。
当サイトはリンクフリーです。←今さら
好き勝手にペタペタしてくださいませ。


ログイン数

参加中

リンク

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR