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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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あの雨の日に 25

リビングの方から聞こえる叫び声に、何事かと飛び起きた。
入口のところで突っ立っている牧野が見えて、無事帰ってきた事にホッとする。
「何叫んでんだよ」
『どうしよ~大変な事になっちゃったよ~』
「何?何があった?」
俺は親父の愛人になるのではないか、という不安が頭をよぎった。

牧野をソファに座らせ、親父との会話を聞きだす。
その突飛な発想に頭を抱えた。
「・・・で、お前はその雑用係とやらを引き受けた、と」
『うん・・・だって、道明寺だけが頑張るのはフェアじゃないって思ったの』
「だからって親父に就くとかありえねぇ」
自分でも驚くくらい低い声が出る。
何考えてやがる。
自分の親父ながら、ババァよりわけわかんねぇ。

『でも、いつか道明寺は総帥になるわけでしょ?その為の勉強のつもりでさ。あたしはあんたがどんな仕事をどうやってやっているのか知らないし、いろんな苦労もあるだろうし。あんたとの未来の為には必要だと思う。』
「ふざけんな!そりゃ牧野が知るいい機会だとは思うぞ?けどな、それは当事者の俺がいて話すべきことじゃねぇのかよ!」
『あんたのお父さんがあたしに話したんだから知らないわよ!だったら自分で聞けばいいでしょ?』
「あの親父が捕まるかよ」

『・・・道明寺は、遠距離なんてできないと思ってる?』
突然俯いて、話し始めた。
『あたしね、自分で行くって言っておきながら不安なんだ。あの別れからの5年と、今回の1年は違うでしょ?あたしはあんたへの想いを断ち切るように生きてきた。忘れなきゃって、思えば思うほど泣いた時もある。あんたが道明寺じゃなかったらって、考えざるを得ない程。でも今回は、あたしたちはその・・・恋人?になったわけだし、この3ヶ月は週に1回は会ってたでしょ?さ・・・』
言いかけてやめた牧野。
牧野の独白にさっきまでの怒りは消え去り、俺は続きを待っていた。
「さ?」
『さ・・・』
何を言おうとしていたかわかっている。
でも言わせたい。
俺も同じ気持ちなんだから。

視線を彷徨わせ、口をパクパクしている。
「寂しい・・・か?」
彷徨っていた視線が俺を見ると、こくんと頷きそのまま再び俯いた。

華奢な体を腕の中に閉じ込める。
「俺だって寂しいよ。お前に会えない事が、とてつもなく辛い。」
牧野言う通り、あの5年と今回の1年は意味が違う。
忘れたくても忘れられず、想いを再確認して過ごした5年にも意味はあった。
帰国してから、牧野と過ごした日々を思い出しては会いたいと思っていた。
再会してから、会える日は可能な限り会いに行った。
それが俺の癒しだったから。

「1年の遠距離か・・・」
『出来るよね、あたしたちなら』
「あぁ。やらないわけにいかないからな」
『そういえばさ、何であんたのお父さんあたしの名前知ってたの?』
「そこに気付くの遅くねぇ?なんかの調査書でも見たんだろ。ババァが見せたのかもしれねぇし。今の職場もアパートが店の借り上げだっていう事も知ってて引っ越しの話までしたんじゃねぇの?いけ好かない奴らだ」
『もう!あんたを産んでくれた両親でしょ?』
わかってるよ。
でも、恨まずにいられない。
俺と牧野をどれだけ引き離したいのか。
胸糞悪くて仕方ない。

牧野はきっと、全てを話してはいないだろう。
俺に心配かけまいと、端折っているのは聞いていてわかった。
きっと牧野の事だから、墓場まで持っていきそうな親父との会話。
親父を問い詰めるしか手筈はなさそうだ。

『・・・あんたに会えなくなっちゃうけど、あたし頑張る。だから道明寺も』
「お前を確実に手に入れる為だ。なんだってしてやるよ。親父に就くまでの間、覚悟してろよ?体に俺を刻み込んでやる」
腕の中で小さく頷いた。

牧野は意志の強い女。
一度やると決めた事はやりとおす。
しかし、俺が・・・
牧野がいなくて我慢が出来るのか。
だからといって他の女をどうこうしようと思うわけがない。
絶対に結婚を認めさせてやらなければ。
素直に甘えてくる牧野をこれ以上なく愛しく思い、レストランで飯を食った後、これでもかと啼かせまくった。



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COMMENT▼

端折っちゃったけど司に話すこと出来て良かった。ちゃんと口に出来ないつくしを理解してくれる司にも嬉しかったです。
別れじゃなくて、未来ある遠距離。でも心が繋がっている分、寂しさが募るよね。
つくし、素直でかわいい。そんなつくしを司は離せませんよね。
きっと二人なら、乗り越えて幸せを掴んでくれると祈ってます。
さて、司パパは天使か悪魔かどっちかな?

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