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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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空を見上げた時 70

ハピエンまでもうすぐ~
では、続きをどうぞ↓

とうとうこの時が来たかと、眼下に広がる神戸市を一望しながらそう思った。

皐月の運転手から、突然意識を失ったのでどうしたらいいかと判断を仰がれ、山木がいる病院に運んでくれと指示した。

何をしても起きない皐月の治療はたかが知れている。

「きっと精神的なものだろう。」

山木にそう言われて、心当たりはひとつしかない。

追い打ちをかけるように、いなくなったと病院から連絡を受けてしまえばその事実を噛みしめるしかなかった。

携帯を操作して、司くんの番号を表示させる。

きっと彼なら、皐月を助けてくれるだろう。

あんな優しい子を、今まで娘として側に置いておけた事に感謝せねばいけない。

発信ボタンをタップした。



「はい」

「やぁ。忙しいところ悪いね」

「いいえ。」

「単刀直入に話すよ。皐月の記憶が戻った」

電話の向こうから、司くんが大きく息を吐いた音が聞こえた。

「で、今日病院に運ばれたんだ」

「運転手から僕の元にも連絡が来ました」

「そう、なら話は早いね。その病院から脱走したみたい。行き先がつかめていない。僕はあの子が東京でどこに行きそうか
など全くわからない。以前住んでいた場所も知らないくらいだ。君ならわかるだろう?」

「はい。大体は見当がつきますが、あいつはビックリするような事する奴です。今日探して見つからなければ、明日会社の
前で待ち伏せします。仕事に対しては責任があるので、投げ出すとは思えません。」

「君の判断に任せるよ。僕は仕事で抜けられなくてね。見つかったら連絡くれるかい?」

「わかりました。これから探しに行きます。」

「よろしく頼んだよ」

電話をポケットにしまい、再び視線は眼下の景色へ。

自分の元から嫁に出したかった。

それだけが悔まれる。

・・・いや、嫁に出してしまったら後が大変か。

戸籍を戻す準備をしなければ。

免許などの資格も、名義変更が必要だ。

逢坂皐月から牧野つくしに戻る。

いつかこんな日が来るとわかっていたはずなのに、手放したくないと思っている自分に乾いた笑いがこぼれた。




脱走って・・・

あいつバカじゃねぇの?

逃げたって、何にもかわんねぇんだよ。

記憶が戻ったなら、真っ先に俺に会いに来るのが筋だろう?

今までごめんねって、ありがとうって泣いて抱きつくくらいの事してみろっつうんだ。

店を出て車に乗り込み、とりあえずは病院付近を探そうとそっち方面へ向かう。

牧野の両親に先手を打っておく必要がある。

電話して、会いに来たり連絡があれば俺に電話するように告げた。

病院で降りて、あいつが行きそうな方へ走って探しに行く。

タクシーに乗っていたらアウトだけど、記憶が戻った牧野ならそうは乗らねぇだろう。

俺の勘が、牧野はこっちだと教えてくれる。

走った先、小さな公園が見える。

あいつならいそうな場所だ。

スピードを緩め、中を覗く。


やっぱり。

ブランコに座り、俯いていた。




足音を立てずに近寄る。

「牧野」

呼びかけに顔をあげた。

『道明寺・・・』

記憶が戻ったのは本当だったんだ。

「何してる?こんなとこで。病院抜け出したらだめだろう?」

『別に具合が悪いわけじゃないし・・・』

再び俯いてしまう。

牧野の正面、ブランコの柵に腰掛けた。

「記憶戻ったんだな」

小さく頷いた。

「何か俺に言う事あるんじゃないのか?」

『・・・あたし、もう道明寺の側にいられない。皐月はもういないの。婚約の話も破談でしょ?あんたのお母さんは、逢坂の娘
だからってあたしとの縁談を進めてたわけだし。あたしこれからボンビー牧野に戻るから、どっかいいとこのお嬢さんとの縁
談の話もすぐに出てくるでしょ。パパやママに会って、皐月として働いていた時の給料少しだけ持って姿消すから。その方が、お父さんも・・・あたしの事・・・忘れられると思う、し・・・』

俺から離れていこうとする牧野の話しを聞いてだんだんイライラしていたけど、最後逢坂社長の話をしながら膝の上で握り
しめた手の上にポタポタ零れる涙を見て。

お人好しはここまで来たら病気だなとも思うし。

そんな牧野だから俺は好きになったんだと、改めて思わされた。

自分を大切にしてくれた逢坂社長に、情が湧いてるんだろうな。

牧野らしくて、俺はつい笑ってしまった。

『何で、笑うのよ!』

「逢坂社長はお前を心配してたぞ?牧野の籍に戻ったって、お前の父親に変わりはないだろ。幸せじゃねぇか、父親が2
人もいるって。・・・それより牧野、俺が他の女と結婚してもいいと思ってるのか?あぁ?」

『だって・・・あたし、道明寺以外の人とも付き合ったし、その・・・そういう事もあったし・・・』

尻つぼみになっていく言葉。

「牧野・・・そんな理由で俺から離れようと?」

『そんな理由って、あたしにはとても大事な事だよ!あんたはあたし以外の人知らないのに、あたしだけって許される事じ
ゃないでしょ!』

顔をあげ、目に涙をためて俺に訴える。

「そんな事どうだっていいんだよ」

『どうでもよくない!』

とうとう立ち上がり、俺の至近距離まで詰め寄ってくる。

これが脱走した理由か。

「じゃあ、俺が他の女を抱けばそれで済むのか?」

『え?』

途端に威勢を失くす。

「お前と同じ人数を経験すれば、それでいいんだろう?」

『あ、いや、えーっと・・・』

「それなら簡単だ。一日で片付く。牧野がそれで満足して俺の傍にいられるなら、抱きたくない女だって抱いてやるよ!」

イライラが募り、口調がキツくなる。

これ以上一緒にいたらケンカになるだけだ。

さっき走って汗もかいている。

冷静になる時間が必要だと思い、近くのメープルに行くために運転手に電話を掛けた。




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やっと記憶が戻り、つくしが司のもとに戻れないと思うのは、仕方ないかなぁと思いましたが、司は動じることなく、つくしを探し当てるなんて、さすが愛があるなと思ってしまいました。
いよいよラストスパートですね。
楽しみにしていますね。

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