最近は毎日更新できていないのに、日々訪問してくださっている皆様のおかげです。
いつ終わるのかわからなくなってきた空を見上げた時ですが、そろそろ終焉の時を迎えるべく進めていきたいと思います。
それまでお付き合いください。
今日は司視点。
では、続きをどうぞ↓
入るまでは散々恥ずかしがっていたのに、バブルバスにすると俺の存在を忘れたかのようにそそくさと洗いバスタブに入っていった。
子供みたいにはしゃいで、俺にその笑顔を向ける。
こんな些細な事にも幸せを感じてる。
皐月の顔についた泡を拭いながら、俺も頬が緩むのを隠せなかった。
明日皐月が起きる時間を考慮して、早めにベッドに入った。
目的は1つ。
行為が終わって腕枕をすれば、皐月は意識を手放すように眠りに就いた。
『うぅ・・・うっ・・・』
皐月がうなされているような声で目が覚めた。
布団を握り、額には玉のような汗をかいている。
布団を離した右手が、喉を抑えた。
首絞められてるのか・・・?
「皐月、どうした?起きろって」
「皐月、皐月!起きろ!」
ハッとして起きた皐月は、キョロキョロと視線を彷徨わせる。
冷蔵庫から水を持ってきて渡してやれば、半分くらいを一気に飲み干した。
「どうした?怖い夢でも見てたか?」
聞いても答えない。
答えづらい内容だったのか?
汗をかいた皐月の体を冷やさないように、バスローブを着せた。
自分も着てベッド脇に座れば、皐月が話し始めru
。
内容を聞いてみれば、滋の家の別荘に4人で行った時のことだった。
・・・これって、記憶が戻りかけてるのか?
俺にとっても、牧野にとってもあんまりいい思い出じゃない滋の別荘での事。
あわよくば忘れたままでもいいのに、何でここから思い出すんだろう。
知ってる奴しか出てこないんだもんな、夢か記憶の違いなんかわかるわけねぇか。
すげぇ難しいよ。
こうやって皐月が夢を見て不安になっても、俺はいつも側にいるわけじゃない。
昔の皐月を知ってるんだって言っていない今、夢なのか思い出した記憶なのかも教えてやれない。
忘れちまえって、こんな簡単な言葉しか言えない自分が悔しい。
抱きしめて、体をさすってやるくらいしかできない無力な俺。
俺にしがみついて眠りに就いた皐月を見ていると、全てを打ち明けた方がいいんじゃないかって。
でもそんなことしたら、混乱させるだけか。
俺が記憶をなくした時は、牧野が投げたボールが頭にヒットして記憶が戻った。
さすがに皐月に同じことはできないしなぁ。
後で何言われるかわかったもんじゃない。
少しずつ記憶が戻るのって、気持ちわりぃよな。
皐月が可哀想で、抱きしめる腕に力が入る。
どうすれば、皐月が苦しまずに記憶が戻るのか。
俺みたいに一気に記憶が戻ればいいんだけどな。
皐月を抱きしめていると、俺も眠くなってくる。
安心できる抱き心地。
いつもなら考え事をしていれば眠くはならないのに。
眠りの世界に引き寄せられ、瞼を閉じた。
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