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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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空を見上げた時 15

『お待たせしました』

昔の牧野からは想像もできないような、ベビーピンクのワンピース。

夏に向かう今の季節にはまだ肌寒いと感じる時間帯もあり、白いカーディガンを羽織っている。

どこから見てもお嬢様。

ハーフアップにされた髪も、着ている服も、仕草も。

それが俺には面白くない。

神戸でデートしようと言ったのは俺。

皐月が普段どこで遊んでいるのか知りたかったから。

・・・きっと俺は、牧野と皐月の違いを探している。

記憶がないんだから仕方ないと思う部分と、忘れてほしくない思い出と。

皐月にがっかりして、嫌いになれたらいいのに。

牧野の部分が垣間見えるたびに、記憶が戻るのではと期待する自分が嫌になる。

もう4年も記憶が戻っていなければ、戻る可能性は低いだろう。

皐月として生きる牧野を、俺はどこまで好きになれる・・・?



異国情緒あふれる街並み、近代的に開拓されていく風景は、カップルや家族連れで賑わう。

人の多い所は好きではない。

そんな俺を知っているかのように、皐月が選んだデートは博物館だった。

『興味があるかは別として、休日の神戸は人が多いですから。私はここ好きなんです。よそ者の私が神戸の事を勉強する
場ですから』

視線を少しだけ下に向け、寂しそうに笑った。

4年も住んでいるのに全く関西弁を話さない皐月。

『慣れ親しんだ言葉ではありませんから。意味はわかりますよ?でも、私には似合いません』

神戸が自分の居場所ではないと、わかっているのだろうか。

あまり会話はないけれど、昔から俺たちはこうだった。

一緒にいるだけで、無言でも苦痛にならない。

静かな博物館で、ゆっくり見て回った。



『ディナーは、父が勝手に予約してしまったのでそちらでもいいですか?』

「俺はどこでもいいよ」

『ディナークルーズなんですけど』

出港までの時間を震災メモリアルパークで過ごし、船に乗り込んだ。

“逢坂”という名前を出せば、従業員揃って頭を下げる。

それだけ港町では逢坂という名前は偉大なんだと思わされた。

『私に頭を下げるのは止めてくださいって言ってるじゃないですか』

「そうはいきません。逢坂のお嬢様に失礼があっては・・・」

牧野らしいセリフ。

『もういいです。今日は私の大切なお客様をお連れしました。最高に美味しい食事をお願いします』

「はい、かしこまりました」

案内図には書かれていない個室。

料理をサーブするのも給仕長自らやってくる。

コース料理全てに美味しいと喜び、その笑顔を見ると俺も嬉しくなった。

今日一日過ごして、皐月を知って。

親友の女には手を出さない。

F4の暗黙のルールを、俺は破ってもいいだろうか。






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