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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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空を見上げた時 11

親に騙されて、連れてこられた料亭。

珍しく2人揃って俺の執務室に来て連れ出された。

見合いだろう、と腹を括っていた。

だから真ん中の席に座ろうとすると「端でいい」と右端に押しやられる。

真ん中に座った親父。

誰が来るのかなんて、興味もないけど気にはなった。

座って数分。

座敷に入ってきたのは、逢坂親子だった。

会いたかったのは事実。

本当に牧野なのか。

実はそっくりなだけで、別人かもしれない。

ただの食事会になるはずが、退屈しなさそうだと興味が湧いた。



牧野、と呼びそうになるのを必死で抑える。

『私、18歳以前の記憶が全くないんです。家族も友人も、誰も覚えていないんです。そんな時に父に拾っていただい
て、感謝しかありません。』

この話を聞いて、牧野つくしだと確信した。

会話をしていても、昔の牧野のままで。

コロコロ表情を変え、よく食べよく笑い、俺に気遣い両親に気遣い、父親には全身で甘える。

俺の事を花沢類、とフルネームで呼ばないけれど。

言葉遣いがお嬢様らしく丁寧で、めちゃくちゃだったマナーも完ぺきになっているけれど。

やっぱり牧野だった、という喜び。

皐月、という新しい部分。

受け入れるのに、少し時間がかかりそうだと思った。

俺が好きだった牧野つくしはもういないのか。

寂しさを少し感じるのは気のせいではないはず。

皐月と結婚すれば、牧野は俺の物になるのに。

そうしてしまえば、一生牧野には会えない気がして。

心に広がる光と闇。

どちらを選んでも、後悔しそうで。

皐月と会話していても、その事ばかりがグルグルしていた。




「俺、見合いしたんだよね」

類の唐突な発言に、3人とも類の方を見た。

脈略のない会話はいつもの事。

だけど見合いなんて、今までした事なかったはずなのに。

そういう類いの事は、俺よりも嫌うはずだろう?

「相手誰だと思う?」

「類かぁ・・・山ほどいそうでわかんねぇよ。」

「どこの令嬢だ?教えろよ」

「逢坂貿易商事、社長令嬢の逢坂皐月」

その名前に、3人とも目を見開いた。

「ちょ、ちょっと待て、つまり、牧野と?」

「そういう事。まぁ、見合いじゃないって親たちは言ってたけど、どう見たって見合いみたいなもんだよ。俺と結婚させ
ようとしてる。」

「で、類はどうするんだ?」

「どうするって?」

「これからお付き合いが始まるわけだろ?婚約、結婚まであっという間なんじゃねぇのか?」

「どうかなぁ。みんな気付いてると思うけど、牧野記憶失くしてるんだって。18歳以前の記憶が全くないって言って
た。詳しく聞いてないけど、あの事故が原因でしょ。俺と結婚したって、いつ牧野つくしとしての記憶が戻るかわからな
いんだ。」

そう言った類は、口を閉ざしてしまった。

類と結婚だと?

ふざけんな・・・

「ふざけんな!俺がどんな思いで今まで待ってると思ってんだ!みすみす類になんか渡してたまるか!」

テーブルを蹴飛ばし、俺は店を出た。






残された3人。

「あーあ。人にかけんなっつうの」

司がテーブルを蹴飛ばしたために、グラスが倒れ総二郎のパンツが濡れてしまった。

「類、牧野と結婚できるかもしれねぇのに乗り気じゃなさそうだな」

「だって、俺が好きだったのは牧野つくしだもん。逢坂皐月じゃない。非常階段で過ごした記憶がないんだよ」

「でも、あいつ変わってなかったんだろ?」

「そうだよ。昔のまま、よく笑ってよく食べる牧野だった。だから、困ってるんだよ。記憶が戻れば、俺と結婚した事を
後悔するかもしれない。司を嫌いになったわけじゃないんだから。」

類が悩みを打ち明けるのは稀だ。

「確かに複雑だよなぁ。あの時俺らは、司と牧野の幸せを願った。あいつらが笑っていられるなら、なんだって助けてや
ろうと思った。類と結婚すれば、司が可哀想だよな。」

「あいつの想いが報われねぇな。牧野の為にNYで頑張ってきたのに、帰ってきたら自分の事忘れてるんだぜ?しかも親
友と結婚となれば、なんて言っていいか・・・」

3人それぞれ司を思い、牧野を思い。

牧野を責めるわけではないけど、せめて司の事だけは忘れてほしくなかった。

あいつがやっとつかんだ幸せ。

人を愛する事を知り、愛される事を知った唯一の女。

簡単に手放すとも思えなくて、これから司がどう出るか恐ろしくなる。

何かやらかすんじゃないか。

俺らまで巻き込んで、面倒くさい事になりそうだ。

総二郎も同じ事を考えていたらしく、ふと視線が合った。

苦笑いしか出ない、司の行動。

これから起こる一騒動に、溜め息がこぼれる。






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