つかつくラブラブまで、もう少しかなぁ…
では、どうぞ↓
病院に着いて、陣痛の合間を見て部屋に司と2人きりにさせてもらった。
「つくし・・・本当にごめんな」
初めて聞く謝罪の言葉。
手を握り、視線は真っ直ぐあたしへ。
「こっちに来るジェットの中で、記憶戻ったんだ」
『・・・!』
だから、咲を抱きしめた時に違和感を感じたんだ。
「お前を裏切った事、本当に反省してる。俺にとって唯一の女だと言っていたのにな。
つくしと類の関係にイライラしてたんだよ」
『だからって・・・』
「海の言葉を信じたのは、本当にどうかしてた。信じるべきはお前なのに。」
『・・・海ちゃん、は?』
「つくし達が出ていってからすぐ別れた。元々あいつは金目当てだったから」
『そう。で、何しに来たの?』
「何しにって、迎えに来たに決まってるだろ?」
『勝手に来られても・・・あたしあんたと再婚する気ないし』
「・・・男、いるのか?」
『バッカじゃないの?あんたと一緒にしないでよ』
「じゃあ誰の子なんだよ」
『あんたの子に決まってるでしょ!・・・こっち来てすぐに妊娠わかったの。あたしたちが別れていようと、この子に罪
はないんだもん。せっかく宿った命、無下にできるわけないじゃない。』
「わりぃ。ありがとう。俺、お前しか愛せないんだ。つくしがいないと飯も美味くないし、夜も眠れない。正直、抱きた
くてしょうがねぇんだよ」
『な、何言ってんのよ!こんなとこで!』
「お前だって知ってんだろ?結婚してようがなんだろうが近寄ってくる女は捨てるほどいるのに、お前にしか反応しない
んだよ。・・・海とも出来なかった。夢に出てくるお前で、何回抜いたと思ってんだ。産んで解禁されたら、即行抱いて
やる。今だって、お前に触れたいのを必死で我慢してるんだ。やっと会えて、どれほど嬉しいか」
『司・・・』
「俺は言いたい事は言った。今は産む事だけを考えろ。ずっといるから。つくしが、俺をいらないと言うまでずっとい
る。」
握った手に力が入る。
あたしも握り返して、陣痛に耐えた。
頼んでもいないのに半ば無理矢理立ち会い、いればいたで出された手を握ってしまう。
「It is a cheerful boy!(元気な男の子ですよ!)」
無痛分娩が主流な国で、痛みに耐えて男の子を出産した。
「よく頑張ったな、ありがとう」
あぁ、この笑顔が見られて、産んで良かったって思う。
好きでもない男の子供なんか、産むか、バカ。
『バカ司』
「あぁ?」
『アホ司』
こめかみに青筋が増えていく。
ここは分娩室。
数分前に出産したばかりで、日本語がわからないスタッフばかりだから言いたい放題。
『あんたのせいでラルーチェ手放す事になったんだからね。まだまだオーナーやりたかったのに。聖也だって咲だって
ずっと寂しい思いしてたの。・・・もちろんあたしも。あんたが目を逸らす事が悲しかった。触れてもらえないって、と
ても辛いの。そんな時に他の女といるなんて本当にバカ!バカとしか言いようがない!』
「・・・お前、言ってくれるなぁ」
『でも、この子の父親はあんたで、育てる権利もあるの。仕方ないから、それだけは許してあげる』
「つくし・・・」
『再婚は今すぐにはしない。帰国もまだ先。1人であたしたちが帰ってくるの待ってなさいよ』
「(処置がありますのでご主人は退室願います)」
産後の興奮状態のまま、言いたい事は言った・・・かな。
本当は殴ってやりたいくらいだけど。
これで少しは反省したらいい。
あたしたちの心の傷に比べたら、まだ小さいくらいだ。
ランキングに参加してます。
ポチっとお願いします。
0574 Web Site Ranking
スポンサーサイト