『ん?』
今日の日報を書きながら、あたしが終わるのを待っている司に返事をした。
「今日メープルに部屋取ってあるんだ。行こうぜ」
驚き顔を上げたあたしに、ニヤッと笑う道明寺。
・・・仕事の時は響かないようにとベージュのモールドブラと、ボクサータイプのショーツ。
色気も何もあったもんじゃない。
『え、いやー、そんな、急に言われても・・・』
焦るあたしに、意味がわかったのか笑いだす道明寺。
「別に脱がすんだから同じだろ?気になるなら、部屋に用意させとくか?ブティックから見繕ってやるぞ?」
あたしを気遣う意味が違う!
・・・はぁ。大丈夫かな。こんな奴と付き合っても。
『家、寄ってもいい?』
もう何に対して怒っていいかもわかんなくなって、小さな溜め息と共に聞いてみた。
「仕方ねぇなぁ」
暗に行くと言ってしまった・・・!
「先に車で待ってるな」
もうすでに時遅し。
意気揚々と、道明寺は出て行ってしまった。
リムジンの後ろに乗せられ、うちのマンションの前。
『すぐ来るから、待っててね』
とにかく着替えようと、脱衣所で脱いで寝室へ。
一番高い、白いレースがふんだんについた下着。
いつかこんな日が来るんじゃないかと思って、買っていたけど着る機会がなかった。
ヤル気満々みたいだな、あたし。
ま、道明寺だからいっか。
ずっと好きで、今のあたしにはあいつ以外考えられないし。
痛いのかなぁ。
そんな不安に駆られながら、ワンピースに身を包んだ。
時間が遅いからか、ロビーにはそんなに人の姿はない。
道明寺の姿を見つけ、四方から従業員が飛んでくる。
「今日はプライベートだ。キーだけ寄越して下がれ。電話するまで誰も寄せ付けるなよ」
「はい、かしこまりました。」
ルームキーを受け取った道明寺は、あたしをエスコートしてエレベーターに乗った。
1度だけ来た事がある、スイート。
何度来ても驚く。
あたしがソファーに鞄を置くと、後ろから抱きしめられた。
「先にシャワーしてくるか?」
『・・・うん』
「いや、待てよ?俺が先に行く。部屋の探検でもしてろ。そうすれば、寝る事もない」
前に寝てしまった事をこれでもかと攻めてくる。
『・・・今日は、寝ない』
「当たり前だ」
頬から首筋、うなじにキスを落とす。
ピリッとした痛みを感じ、道明寺が離れた。
「良い子で待ってろよ」
そういうと、ジャケットをソファーの背もたれにかけてバスルームに消えた。
いろんな扉を開けて、本当にスイートを探検した。
寝室、ゲストルーム二つ、クローゼット、もう1つのバスルーム、ミニキッチン・・・
無駄だらけだ。
リビングに戻れば、バスローブを着た道明寺がタオルで頭を拭いていた。
そうだった、濡れたらストレートになるんだ・・・
いつもと違う姿にドキッとして、そしてあたしもバスルームに向かった。
念入りに磨いて、どうしたらいいかわかんなくてとりあえず再び下着をつけてバスローブを着た。
「緊張しすぎだろ」
バスルームから出たあたしを、道明寺は笑いながら出迎えた。
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