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It is a tale like a storm.

司つくしメインです。

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時を超えて 12

あたしのマンションではなく、司のマンションのバスルーム。

ローズのバスオイルが入ったバスタブで、後ろから司に抱きかかえられるように浸かっている。

「無理、させたな。」

『顎が痛い。体が痛い。・・・心が、痛い。司が泣いてるんじゃないかって。』

「俺が泣くわけねぇだろ。」

『あたしの中での司は、不器用だけど優しさに溢れてる人だよ?誰よりもあたしを優先して、守ってくれる優しい人。それは今も昔も変わってない。
だから、さっきは司の方が辛かったんじゃないかって思ったの。』

「・・・」

『あたしはさ、どんなに傷つけられてもあんたが好きなんだ。だから、何されても結局は許しちゃうんだよ。傷ついたあたしより、傷つけたあんたの方が辛いだろうって。
あんたは覚えてないけど、あたし高校生の時あんたにレイプされかけてるの。あの時はあんたが怖くて仕方なかったけど、結局はこうして一緒にいるんだから。あたしも相当な変わりもんだよ。』

自嘲的な笑いが出る。

『あんたの記憶の事でうじうじ悩む事もあるかもしれない。でも、あたしはNYに来る時に決めたの。あんたに何されても絶対に離れないって。冷たくされるのも、暴言吐かれるのも、経験済みだしね。』

顔を見ないとすらすら言葉が出てくる。

背後にいる司は何を想っているのだろうか。

ただ一つ、あたしはこんなにも司が好きなんだと再確認出来た事。

言葉や指が乱暴でも、司の瞳の奥は悲しみに溢れていた。

そんな瞳で見つめられて、あたしは拒否するなんて選択肢は浮かばない。

同情なんかじゃない。

司が求める愛情に応えてあげたい、ただ素直にそう思える。

「風呂出るぞ。」

あたしを抱えてバスタブを出る。

『ちょっと、歩けるって!自分でできるから!』

「黙れ」

有無を言わさず、あたしの体を拭き始める。

バスローブを着せ、あたしを椅子に座らせると自分もバスローブを着た。

ドライヤーを取り出し、あたしの髪の毛を乾かす。

長くてキレイな指が、あたしの髪を梳かすように動いている。

時折肌に触れるのが心地良くて、あたしは目を瞑った。

ドライヤーの音が止まり、目を開けると再び抱えられ寝室へ。

ベッドの縁に座らされると、部屋にある小さな冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきた。

『ありがと。』

今日の司はあたしを歩かせるつもりはないらしい。

それだけ反省してるのかな。

あたしの隣に座った司。

窓の外にはマンハッタンの夜景が散らばっている。

「・・・最近夢見るんだよ。」

『夢?』

「英徳の制服着たお前が、非常階段で類と抱き合ってるとこ。」

『・・・は?』

「お前、俺と付き合ってたんだろ?なのに類といるところしか夢に出てこねぇ。
砂浜で抱き合ってたり、挙句にはキスまでしてる。それに、俺の知ってる類はあんな顔するやつじゃなかった。昨日類と話すお前見てたら、本当は類と付き合ってたんじゃねぇかって、そればっかり考えちまう。」

『都合の悪いとこばっかり出てくる夢だね。たしかにあたしは花沢類と、その・・・あんたの夢に出てきたような事はあったけど。いっぱい好きだって言ってくれたけど、あたしはあんたを選んだんだよ。早く思い出せ!』

横から抱きついた。

『一度、日本に帰ってみる?あたしと花沢類がいた場所、2人で行こう。あんたの嫌な思い出、全部塗り替えようよ。スケジュール、組むからさ。』

司はあたしを心配そうな顔でずっと見ていた。

いつもより早めにベッドに入って、何を話すわけでもなく抱き合うだけ。

司はあたしの髪を梳きながら、額や髪にキスをする。

その心地良さにあたしは眠りに就いた。

目が覚めると、隣でスヤスヤと寝息を立ててる司。

そろそろ起きる時間だと、あたしに乗っている司の腕をどかした。

その瞬間、あたしのお腹からは信じられないくらいの音が鳴った。

その音で目を覚ました司。

「すげぇ音。」

『き、昨日晩御飯食べてなかったから。』

クスクス笑いながら、あたしを抱きしめた。

「起きたら言おうと思ってた。俺はとことんお前に惚れてるみたいだな。俺様が夢ごときで落ち込むなんざ思ってもみなかった。ずっと俺の側にいろよ。類なんか関係ねぇ。」

『あんたはそうでなくちゃね。朝ご飯作ってくる。お腹すいた~』

するりと司の腕を抜けて、キッチンへと向かった。

「おい!ったく・・・」

無事仲直りしたあたしたちは、日本へと向かうべく準備を始めた。



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